移転計画撤回依然厳しく(1)調査委 候補地絞り込めず [2011年6月14日12:45更新]

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(11年5月号掲載)

報告書を受け取る高島市長(5月15日)福岡市立こども病院(中央区)の人工島への移転を決めたプロセスを検証する調査委員会は15日、最終報告書をまとめて高島宗一郎市長に手渡した(写真)

報告書では、決定過程の合理性・妥当性については委員の賛否両論を併記しながらも、「透明性を欠き市民の不信を招いた」などとして市の姿勢を批判、過程に不備があったと結論付けた。だが整備地については1カ所で合意することは出来ず、人工島など6カ所の候補地について長所・短所を列記するにとどまった。

高島市長は「6月7日までに結論を出す」としているが、人工島以外の場所に変更するのは極めて難しい状況に依然、変わりはない。

【編注】本稿は5月16日時点。高島市長は5月24日、新病院は人工島で整備することを正式に発表した



想定内の結論  

調査委員会は北川正恭委員長のほか医療関係者、法曹関係者、患者家族代表、一般市民など計11人。吉田宏・前市長の下で行われた07年度の検証・検討作業の合理性と妥当性について、1月から7回に渡って議論を重ねてきた。 

これまでの会合で市側が現地建て替え費用を1.5倍に水増しした経緯が不透明なことが明らかに。また他の候補地と比較検討する際の手法も妥当ではなかったとする指摘もあった。しかし一部の委員は「妥当でないところはあったが全体としては概ね合理性・妥当性はあった」と述べ、「妥当性を欠いた」とする意見と併記する形となった。 

整備地については1つに絞り込めず、6カ所の候補地の長所・短所を示して一覧表に列記するに止まり、調査委としての明確な判断は示せなかった。 

本紙は3月号で、新病院の整備場所については「様々な立場から意見が出されることが予想され、1つにまとめるのは困難では」とし、「結論は『検証作業は不適切だった』『新病院の移転先については複数の意見を併記』に落ち着くのではないか」と指摘していた。

最終報告書は各委員の意見を尊重しながらも、市の不透明な意思決定過程や不十分なチェック体制、各局の連携不足などについて言及。「こうした仕事の進め方が市役所の信頼を損ない、ひいては『アイランドシティありき』であるかのような受け止め方をされる要因となった」「結果として病院の建て替えを停滞させてしまった」と結論付けている。 

この点を踏まえると、全員一致で「不適切」と結論付けたわけではないものの、想定の範囲内と言えるのではなかろうか。

(続く)