高島市政の新副市長(2)山崎一樹氏は前市長の「陰の参謀役」 [2011年7月8日10:55更新]

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(11年6月号掲載)

福岡市役所本紙は昨年12月号で、N県議らの「福岡進出」は現職衆院議員がいなくなった福岡都市圏の利権を狙ったもの─と指摘した。

あるマスコミ記者はこう語る。「大野氏起用がN県議=麻生元総理側の意向だとすれば、福岡に大きなくさびを打ち込んだと言えるかもしれません」 

市長選への出馬が決まった直後から「高島氏は本来、国政が第1希望。市長はそのステップだろう」というのが一部自民市議の共通認識だった。そのため「将来をにらんで麻生元総理側に近付いたのではないか」と分析する関係者も。 



福岡市の自民有力者と言えば、現在浪人中の山崎拓氏。依然として国政復帰に意欲的とされているが「高島市長誕生に尽力しこのほど亡くなった石村一明・元市議をはじめ山崎氏を支えた有力県議・市議はほとんど表舞台から去った。今回の副市長の一件で1つの時代が終わったと、あらためて感じます」(前出記者)。

かなりの「良いタマ」

その山崎拓氏と、市財政局長を務めていた頃(02~05年)から近かったとされるのが副市長の1人、山崎一樹氏。当時から「市長の有力候補」とされた、総務省出身の“逸材”である。

今回の起用も順当なところだろうが、実はこの山崎副市長、06年の市長選の際には前市長・吉田宏氏陣営の「陰の参謀役」だったという。 

吉田氏の元陣営関係者によると、山崎氏は局長時代、地元紙記者だった吉田氏と知り合い意気投合。選挙では公約作成などについて協力するよう求められ、東京からメールや電話で担当者とやり取りし、アドバイスを送っていたという。 

吉田氏は山崎氏を副市長に迎える意向だったが、根回しをする前に一部マスコミが先行報道、話は御破算となった。この時、ある陣営関係者に「恩を仇で返しやがって」と“恫喝メール”を送り付けたという。この関係者がマスコミの情報源と考えたと見られる。 

自民代議士らと近いとされながらも、06年市長選では民主党推薦の吉田氏を陰で支援。副市長就任の夢が破れると今度は一転、その吉田氏に勝った高島市長の隣りに、素知らぬ顔をしてちゃっかり座っているというわけだ。本人は市長の椅子に意欲満々とされているようだが、少なくとも政治センス的にはかなり「良いタマ」であることは確かだろう。 

 

本格的なスタートを切った高島市政だが、順風満帆とはいきそうもない。まずは側近に寝首をかかれないよう十分気を付けた上で、自民市議団との関係修復を考えた方がよろしいのではないでしょうか、高島市長。