(09年10月号掲載) 大学などの教育機関・研究機関と民間企業の連携(産学連携)の重要性が叫ばれて久しいが、「なかなかうまくいっていないのが現実」(同センター・柿野賢一さん)という。 そんな中、柿野さんらは全国各地の食材の効能を研究するだけでなく、研究機関と企業とを結び付ける役割を担うなど、「食材の魅力を紹介し、地域産業の振興に役立ちたい」と奮闘している。 「ワサビの葉で肥満防止」「抑制効果確認、商品化へ」 こんな見出しの記事が今年3月、日本経済新聞(中国版)に掲載された。 記事は、島根県産業技術センターが島根大学と共同で研究を行い、マウスを使った実験でワサビの葉に肥満を抑制する成分が含まれていることを確認。そこで、これを原料にした健康食品の開発計画を進めており、近く商品化される─という内容だった。 島根県は全国4位のワサビ生産量を誇る(写真上)。だが夏場のワサビは辛みが少なく、その葉は廃棄されることが多かったという。そんなワサビの葉に肥満予防の効果があることが分かったことから、資源の有効活用、地元で取れる食材の需要拡大・生産支援を目指し、商品化を計画した。 だが「いざ商品化・販売するとなると産業技術センターや大学にはそのノウハウがない。『どうすればいいか』と相談を受けたわれわれが、まず臨床試験を行って人体への効能・安全性を確かめ、大阪の企業を紹介しました」(柿野さん)。 この企業は、健康食品を手掛ける「グランヒル大阪」の子会社、「健康栄養素材研究所」(飯沼清栄代表)。同研究所は天然の素材を健康食品として加工・販売する事業を行っている。 その結果、ワサビの葉は「スリムdeチャチャ茶」(写真)という名で商品化され、8月に発売された。「私どもも独自に研究を行っているのですが、今回のように専門の研究機関と連携できれば時間や労力の節約にもなる。非常にありがたいことですね」(飯沼代表)。 * * * 「これまで提唱、実行されてきた産学連携は、大がかりなプロジェクトを中心としたいわば『大企業型』。必ずしも研究と販売が合致するわけではありませんでした。そこで、アイディアがあっても商品化のノウハウがない自治体や研究機関と、元気がある中小企業を結び付けることが重要─と考えたのです」 こう話す柿野さんは1989年、九大農学部を卒業。医薬品の研究開発に携わった。「その中で、医薬品は副作用が大きく身体に負担が掛かるという問題に直面した。何とかならないかと考え、伝統的な食品の持つ効能に興味を持ちました。長い間親しまれてきた食品ならば安心なはずですから」 柿野さんはその後食品会社に勤務、研究仲間のほか食品業界など多くの経営者と交流を深めた。「この経験を活かして、健康に良いさまざまな素材や食材を探しつつ商品開発・販売へつなげよう、と」 現在、健康栄養評価センターを運営する柿野氏は、伝統的な作物や食材の効能を研究しながら全国各地を飛び回っている。 「日本にはたくさんの素晴らしい食の素材や伝統文化があります。自分たちの研究で全国の『埋もれた資源』を掘り起こし、より多くの方に紹介したい。そうすれば伝統産業の振興や地域の活性化も実現できるはず。そう信じて頑張っています」 【健康栄養評価センター】 HPはこちら 【ワサビ葉茶問い合わせ先】 グランヒル大阪 HPはこちら
先月号で紹介した、サトウキビ酢を原料とするダイエット飲料。商品化が実現した裏には、臨床試験を通じて素材の効能を明らかにした「健康栄養評価センター」(春日市)の存在があった。
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産業振興・地域活性化目指し 伝統食材の商品化を応援 [2009年11月20日15:12更新]
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