西日本高速SHD 調査継続へ(2)会長辞任 事態沈静化が狙いか [2010年7月22日10:21更新]

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(10年6月号掲載)

NEXCO西日本SHDのあるビル(大阪市)「何の前触れもなかっただけに正直、驚いた」。あるSHD関係者はこう語る。

疑惑の中心人物とされた石田氏が今月、SHD会長職を辞任したことを発表。調査委の調べが進められる中での突然の辞任劇に、関係者は一様に驚きととまどいの声を上げた。 

本紙報道後の5月上旬、あるマスコミが石田氏について「国交省の指導を無視してNEXCO、SHD両社の会長を兼務し続けている」と報道。関係者によると、5月31日に開かれた定例記者会見で「私が兼務することでサービスや収益性が向上し、顧客満足度も上がった」と発言。



記者からは「今後もまだ会長兼務を続けるのか」などと質問が出たが、石田会長は「調査委員会の結果を受けて総合的な判断をする必要がある」などとして自らの進退について明言しなかったという。 

ところが6月7日になってSHDD会長職を辞任したことを知らせる広報文が関係記者クラブに投げ込まれた。辞任に伴う記者会見は開かれていない。 

「調査委の結果発表前に辞任することで、先手を打とうと考えたのでしょう。石田氏の思惑は見え見えです」。あるSHD関係者は苦々しげにこう話す。

「そもそもNEXCOは、石田氏にSHD会長職の辞任を要求する前提で調査委を立ち上げた。だから、自分から先に辞めてしまえば調査の意味がなくなり事態は沈静化すると考えたのでしょうが、そうは問屋が卸しません」。

前述の通り、今回の調査委の結果いかんに関わらず今後も調査は継続される見通しだ。

SHD再生に道筋を付けろ  

今回の疑惑に関連し、一部のマスコミによって「国交省は今月の株主総会で西日本など(東、中日本を含む)高速道路3社の会長と社長をすべて退任させる方針」と報じられた。実際にどうなるかは別として、少なくともNEXCO西日本については、会長・社長の辞任で騒動に幕引き─としてはなるまい。 

NEXCOには子会社を管理監督する責任があるはずだ。「辞任したから後は知らない」ではなく、SHD再生の道筋を付けるべきではないか。そのためには何をするべきか、どのような方法が適切なのか、ぜひ真剣に検討していただきたいものである。 

これまでにも述べてきたことだが重要なのは、実態を徹底解明してその原因である幹部らを一掃し、高速道路運営のあり方を見直すことである。

「石田氏に近い幹部社員は、たとえ同氏が2社の会長を辞めても『院政』を敷き、影響力を維持できると考えているようです」(NEXCO関係者)。そのようなことは断じて許してはならない。

【編注】調査委は6月15日付で「SHDの経営実態とルールに乖離があった」などとする報告書をまとめた(7月号で詳報)