(10年7月号掲載) 民主が2議席独占を狙って社民と推薦した堤要氏は4位と惨敗、04年はトップ当選だった大久保氏が自民新人の後塵を拝したこともあり、一部の民主関係者からは「県連執行部の責任を追及すべきだ」と批判の声も出ている。 「台風の目になるのでは」と注目されたみんなの党の佐藤正夫氏は厳しい条件の中3位と健闘、今後予定される県内の首長選や来春の統一地方選で同党が躍進する可能性も出てきた。 当確を決めた大久保氏は詰め掛けた支持者らを前にこう語った。「民主県連の底力、多くの皆様のお力添えにより当選させていただきました。福岡を明るく豊かにするためにがんばります」 ただ今回はトップに約10万票の差を付けられての2位。喜びは今一つのようだった(写真)。 念願の政権交代を果たした昨年夏以降、政治とカネをめぐる問題などが噴出し支持率は急降下。さらに党方針で2人目の候補を推薦したことで、県連内部や陣営には当初から危機感が漂った。 新内閣発足で支持率は一時V字回復を遂げたが「消費税発言」で再び急落。そんな厳しい情勢を最後まで打開できなかった。 「大久保氏は次点当選、堤氏は法定得票数にも届かない惨敗。逆風が吹いたことは確かだが(民主県連の)現体制では選挙を戦えないことがはっきりした。執行部はきっちり責任を取るべきだ」。同党のある国会議員はこう憤る。 執行部は2候補を立てた今回、衆院の小選挙区ごとにどちらを支援するかを割り振った。そのため地方議員が自らの出身労組とは異なる候補を応援しなければならない「ねじれ現象」が起き、現場レベルでは執行部の指示を無視するところも出た。 昨年末に刷新された古賀一成代表ら県連執行部の手腕を疑問視する声は以前から根強く、今後県連内で責任問題が噴出する可能性もある。 一方で、ある民主関係者はこうした批判に対し「重要なのは選挙戦術云々ではない」と警鐘を鳴らす。「今回は早くから多くの関係者が浮き足立っていた。こんな時に問われるのは、議員1人1人がいかに普段から有権者に政策を訴え、理解と支持を得てきたか。これこそが政治の原点であり、その努力が足りなかったのが最大の理由だ」 風が吹けば勝ち、吹かなければ負ける。民主はいつまでこのような選挙を続けるのか。自らの足元を今一度見直し、原点に立ち返るべきではないだろうか。 北九州市選出の元県議で全県的な知名度が低く、当初は苦戦が伝えられていた自民の大家氏。特に福岡市周辺では地元議員や業界団体の動きが鈍く「集会に人を集めるのが大変」との声が漏れる状態だった。 だが6月に公明党と選挙協力を結ぶと、組織選挙が一気に機能し始めた。ふたを開けてみれば07年の松山政司氏(約79万票)に迫る票を獲得。現職の吉村剛太郎氏が自民を離党し国民新党から出馬、分裂選挙となっただけに実質的には07年よりも票を伸ばしたと考えていいだろう。 「かと言って喜ぶのは早計。今回は民主が『自滅』した形で、一度離れた支持者が戻って来たとまでは言い切れないでしょう」(大手マスコミ記者)。 いわゆる2大政党の候補に次いで3位に食い込んだみんなの佐藤氏。出馬表明は4月、集票組織はなく知名度も低い新人が特に都市部で健闘したことは、民主でも自民でもない「第3極」を求める有権者が相当数存在することを端的に示していると言える。 佐藤氏が一定の票を獲得したことで今後、地方の首長・議員選挙においても同党から立候補する者が増える可能性も出てきた。実際、北九州市選出の元県議・佐藤氏は「年明けの同市長選が本命」と囁かれ、秋に予定される福岡市長選にも同党からの候補擁立が取りざたされている(記者’s EYE参照)。 来春には統一地方選もあり、これから同党の躍進が見られるかもしれない。
第22回参院選は11日に投開票が行われ、福岡選挙区(改選数2)は事前の予想通り自民新人の大家敏志氏、民主現職の大久保勉氏が当選した。
民主県連執行部に批判も 参院選 現職次点、推薦候補は惨敗 [2010年8月2日11:14更新]
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