(10年7月号掲載) テナントの選定期間中やその直後に関係テナントを接待したり、特定の業者ありきで選定を進める。国会議員を接待し虚偽報告で事実を隠す。 国民の財産である高速道路の管理運営に関わる公的性格の強い企業にもかかわらず、社内規則をないがしろにした上で「これが民間のやり方だ」と言っても、それで世間に通用するものだろうか。 それだけではない。通常の手順を無視して自分の意のままに採用を決める、大手新聞社を頻繁に接待して取り込む(新聞社側が求めたのかもしれないが)、元警察官を雇い入れ社内外ににらみを利かせる。そんな会社で働く社員たちが、さすがに哀れに思えてくる。 今回の問題を本紙が報じて以降、石田氏は「まったくの事実無根で誹謗中傷だ」などと疑惑について否定し続けた。だが結局、調査委は本紙の報道が正しかったことを裏付ける形となった。 石田氏は2社の会長職を退き、調査委立ち上げを決めたNEXCO社長も同時に退任した(図参照)。 石田氏らの「暴走」は高速道路の管理運営体制の構造的な問題、つまり道路公団民営化で生じた、監視の目が届かない「暗部」を浮き彫りにした。それは、国交省側が投書などによって疑惑を把握しながらも、本紙が報じるまで何ら有効な手を打たなかったことにも如実に表れている。 それこそが問題の本質であり「天下りの是非」「官VS民の確執」などとは別物である。 調査委自らが認めているように、権限や時間に制約があったために今回の調査結果は決して十分なものとは言えない。 例えば透明性・公正性が疑われるテナント選定に関しては、謝礼やバックマージンなどの存在が想定されるが、そこまでは調査委も調べようがない。 特定の商品を取り扱うよう強要されたとの問題についても、最終的には「言った、言わない」の平行線となり「強要とまでは認められない」という結論に落ち着かざるえないだろう。 なぜこのような問題が起きたのか? どうすれば再発を防げるのか? より良い高速道路運営を目指すには? こうした問いに答えるには調査委の指摘通り、やはり詳細な事実調査、検証作業が不可欠である。 まずは今回の調査報告書をすべて公開し(NEXCO西が6月25日に発表した数枚の報告書概要では不十分だ)、いまだに燻っている「石田氏の負の遺産」を一掃すること。それを、同社の新経営陣には強く望みたい。
今回の調査結果から浮かび上がったのは、石田氏を筆頭に一部の幹部が会社を私物化していた実態である─こう断じざるをえない。
この問題を報じたマスコミが「内紛・対立」などと書き立てたため、国交省は2人をはずすことでバランスを取ろうとしたのかも知れない。だがこれで騒動の終結を目論んでいるのであれば、それは問題の本質の隠蔽にほかならない。
経営実態とルールが乖離(3)会長らが会社私物化 浮き彫りに [2010年9月10日09:24更新]
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調査委の報告書を全て公表せよ

