私たちが相談に乗ります! 引きこもり支援相談士とは(3) [2010年9月17日09:33更新]

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(10年8月号掲載)

ひきこもり支援相談士の伊藤夕里亜さん「引きこもりや不登校は心の問題、いわゆるトラウマや家庭環境が原因だと思っている方が多いのですが、必ずしもそうとは限りません。その1例が低血糖症です」。こう語るのは今回のセミナーを企画した相談士で、健康医療コーディネーターの伊藤夕里亜さん=写真、福岡市在住=だ。 

低血糖症は、血糖値の調節を行うインシュリンが正常に分泌されない代謝異常のこと。血糖値が不安定で短時間の間に高くなったり低くなったりするために悪寒や眠気、急な不安感や過食などの症状を引き起こすという。

「体にだるさを感じたりやる気が失われ、これが不登校や就労不能の原因になっているケースがあります。ところがこれをうつ病や統合失調症と誤って診断している例がかなりあるんです」 



 

ある男子児童は小学4年生の時、学校でのいじめをきっかけにパニック症状・幼児退行を起こし、児童精神科に通って投薬治療を受けるようになった。最終的には転校しいじめもなくなったのだがなぜか症状は好転せず、その後も投薬量は増え続けた。

疑問を持った母親は低血糖症のことを聞き、専門医をたずね検査を受けた。児童は反応性低血糖症と重度の栄養欠損(炭水化物過多)と診断され治療を開始。6年生となった現在は薬も必要なくなり、学校で毎日授業を受け修学旅行にも参加したという。 

またある女子児童は学校で上級生から怒られたことをきっかけに登校をしぶるようになった。学校側は病院やカウンセラーに行くことを勧めたが、母親に低血糖症の知識があったために専門医を受診。貧血や重度の栄養欠損が判明し食事・栄養指導を行った結果、今では笑顔で学校に通っているという。   

「読んで字のごとく、血糖値が低いのなら糖分を取ればいいのではと考える方もいますが、それは逆に一番危険です。残念ながら現状では一般内科での診断・検査は難しく、専門医への受診が大切。甘い物を控える、タンパク質をしっかり取る、炭水化物だけの食事をしないなど、普段からお母さんが気を配ってあげることも重要ですね」 

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低血糖症の例をはじめ、引きこもりや不登校の原因やきっかけは様々。どう対処するべきかは事例によって異なってくる。誤った対応をすれば改善はおろか、さらなる悪化を招く可能性も。それだけに相談士には技術や知識のレベルアップが求められる。 

「そのためにも相談士同士が交流し情報交換できる場がほしいと、今回のセミナーを企画しました」と伊藤さん。セミナーにはこの日、約30人が集まり熱心に耳を傾けていた。「様々な形で情報を発信して1人でも多くの方の手助けになれれば。ぜひ気軽に相談してみてください」

【ひきこもり支援相談士認定協議会のHPはこちら】

【伊藤夕里亜さんのHPはこちら】