(10年9月号掲載) 旧三橋町議を3期、1市2町による合併後も柳川市議を1期務め、多くの市民や行政関係者に慕われてきた藤丸氏。だが今春、腰椎を骨折する大けがを負い「現状では選んでいただいたとしても、皆さんの期待に応えることはできない」 潔く一線から退く決断をした「柳川市議会のご意見番」。現市政、そして柳川市民へのメッセージを紹介したい。 柳川は今、人口が減少しよります。若い人が柳川から出ていく。街に魅力のなかごとあっでしょうなあ。 例えば観光。どうもすでにピークを過ぎとるように思うとです。九州だけでなく全国の観光地が今、いろんな形で魅力をアピールしよります。柳川もがんばってはおるが施策が漠然としとって、あれもこれもで結局消化不良の感じがするとです。本当に成果が上がっとっでしょうかな。 それから財政面です。現状、まだ余力はあると個人的には思っとります。数字上は決して悪くない。ばってん中長期的に見た場合、やはり不安を感じますな。市有財産、例えばP社跡地を大いに活用するとか、早急に策を採らんとですな。 ですから金子健次市長には、何か1つでいいから案を出してもらって、それについては絶対にやりとげるっちゅう強い姿勢ば、見せてほしいんですがのぉ。 藤丸氏は1935年、旧三橋村(現柳川市三橋町)生まれ。56年、当時の国鉄に入社、旧久留米駅助役などを務めた。93年、三橋町議選で初当選。金子市長をはじめ、「長老」に対する周囲の信頼は厚い 合併して最初の柳川市長選(05年)では旧大和町長の石田宝蔵さんが当選しました。行政マンとしての手腕、それに政治家としてもある種の能力は非常にあったとですよ。ところがどうも、個性が強すぎたと言いますかな、発する言葉が軽かごとあった。その場その場で適当なことを言って、市民をちょろまかして。 このままじゃあいかんと金子さんば応援したとです。金子さんはとにかくまじめで嘘は言わん、首長としての資質も十分あると思ったわけです。 09年4月の市長選は現職・石田氏と新人・金子氏の一騎打ちとなり大激戦の末、金子氏が勝利した 市民の皆さんも、金子市長は明るく親しみやすい人だと認識しておると思いますよ。 ただ、調子のいいことを思わせぶりに言うのはどげんでしょうか。できないことはできないとはっきり言わんとですな。言葉の軽さは結果的に自分の首を絞めることになっとですよ。 市民の皆さんには今柳川で何が行われているのか、常に関心を持ってもらいたいとです。普段から市政を見つめ、自分たちが選んだ市長をある時は支え、またある時は厳しく叱咤する。選挙の時だけ、問題があった時だけではいかん。 特に、将来の柳川を背負ってもらわんにゃならん若い世代の方々は、ぜひ自覚と問題意識を持って下さらんかの。 もちろんそのためには市長自ら、あるいは議会も情報をどんどん発信せんと。 私は長年監査委員を務めましたが三橋町で1回、石田市政で2回も住民監査請求があった。これではいかんですばい。 金子市長には情報公開制度を使って、より公正で透明度の高い市政を目指してもらいたいと、強く思っちょります。 3月に庭先で転倒して腰椎を圧迫骨折しましての。よう歩くこともままなりませんのです。 95年には家の階段を転げ落ちてやはり腰椎を骨折して、医者からは「一生寝たきり、よくて車イス生活」と言われました。だけんど、町議になってまだ間もない頃で、これでは町民に申し訳がないと、何とか杖を使って歩けるまでになったとですよ。 ですが今回ばかりは厳しかとです。支援者の方々や議員連中は「何とかもう1期だけ」、私もぎりぎりまで悩み考えました。そんですけどの、今の体では市議としての仕事を全うできない。だけん、後進に道を譲るごと決めたとです。 三橋町は田園が広がる自然豊かな町。住民はみな素朴で実に良かところです。お世話になった地元に何とか還元したいと町議になった。以来、多くの人に支えていただき、幸せな議員生活を送ることができました。本当に感謝しております。 * * * 「次の市議選で新人候補が出んようであれば、柳川に未来はなかっですよ」。藤丸氏がこうつぶやいたのは今年5月。今のところ新人の出馬予定はなく、藤丸氏の懸念が現実となりつつある。 市民は柳川の現状に不安や不満などないのか、あるいは「どうでもいい」と考えているのか。柳川の未来はすべて市民の両肩にかかっているはずだが。 「せめて金子市政の1期目だけは最後まで見届けたいとですが」(藤丸氏)。後ろ髪を引かれる思いで引退する長老のラストメッセージを、多くの市民に受け止めていただきたい。
10月3日、市議会議員選挙が行われる柳川市。24議席をめぐる争いはすでに始まっているがそんな中、同市議会最高齢のベテラン市議、藤丸富男氏(75=写真)が引退を決意した。
柳川の未来をお願いします 引退決意「長老市議」のラストメッセージ [2010年9月27日13:03更新]
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言葉が軽い前市長
柳川市政に関心を持って
2度目の大けが

