鮮魚市場で架空取引(1) 総額30億円超? 08年から激増のマグロ売買 [2009年6月1日09:46更新]

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(09年5月号掲載)

福岡中央魚市場などが入る市場会館(福岡市長浜)中央卸売市場(福岡市中央区長浜)の鮮魚卸売業「福岡中央魚市場」(同、金丸直之社長)など複数の業者が07年から始めた冷凍マグロの取引量がこの1年あまりで激増。そのほとんどが、商品を業者間で循環させるなどした「架空取引」だった可能性が極めて高いことが関係者の話で分かった。

架空取引は今年3月、業者が代金不払いを起こすまで続き、その総額は30億円を超えると見られる。

複数の業者は「架空取引をしていた」と認めているが、中央魚市場は「通常の取引だと思っていた」と説明、また多額の債務が発生した業者は「だまされた、法的措置も辞さない」。市場を監督する福岡市が調査を進めているものの、実態解明は望めない状況だ。
(写真=福岡中央魚市場などが入る市場会館)

(一部HP既報)



福岡市農林水産局鮮魚市場や関係者の話を総合すると、福岡中央魚市場と仲卸業「喜平商店」(長浜)、鮮魚卸業者A社(中央区港)、同B社(同区舞鶴)が冷凍マグロの取引を始めたのは07年夏ごろ。中央魚市場が仕入れたマグロを喜平商店が買い、それをA、B社に転売する形で始まった。 

ありえない急増ぶり 市場内で話題に 

取引量が急増しはじめたのは08年初めごろ。同年4月には仲卸業「岩永鮮魚仲卸」(長浜)が新たに取引に参加。その後も取引量は増え続け、市場関係者から「福岡近辺でのマグロ需要がこれほど増えることなどありえない」「架空取引ではないか」との声が上がった。 

このため同年10月に市が調査を実施。すると、中央魚市場の仕入れ先がA、B社であることが分かった(下図参照)。市が「卸先と仕入れ先が同じなのは、おかしいのではないか」と指摘すると中央魚市場は「仲卸業者の転売先は知らなかった」と答え、仕入れ先をC社に変更した。 

架空取引相関図

また鮮魚卸業者がどこへマグロを売っているのか聞くと「海外に輸出している」。だが市はそれを伝票などで確認していないという。

マグロは3者の間を循環  

今回の取引は図で分かる通り、市場・仲卸・鮮魚卸の間をぐるぐる回る形となっている。業者は仕入れたマグロを転売する際に手数料を加えて請求。相手側はそれを支払った上でさらに多額の代金を販売先から請求する。

こうして取引額はどんどん大きくなり、それにつれて少なくとも帳簿上は、売上高と利益も増えることになる。

(続く)