カテゴリーアーカイブ: J氏の独り言

NEXCOと大島産業(31)■ 会計検査、本日から3日間

7月5日、本日から3日間、NEXCO中日本において 大島産業が施工して契約解除となった 2つの工事に対しての 追加会計検査が始まる。
会計検査院の検査官が 5名、3日間張り付くというのも異例というが、それだけ闇が深いという事だ。

幾つもの決済をくぐり抜け、支払いが決まった13億2千万円という工事の最終変更金額について、実態の裏付の無い警備費、埋設型枠の材料の加工賃、特殊工法の諸経費のダブル計上等、大島側の水増し請求に対する疑念は何一つ払拭されていない。
被害を被った複数の業者は中日本の調査に事実を伝えたというが、検査官にはどのような回答をするのだろうか。

昨年10月まで 度重なる下請業者からの告発があり、通常なら はるか昔に契約解除となっているはずが、政治案件工事として 本社からの指示により放置されたことが、工事費の異常な増額と耐震偽装施行に繋がった。

その経緯を事細かに知っている7名のうち6名は左遷人事で検査会場にはいないが、唯一人 異動を免れた担当者がいる。
会計検査=国の税金、国民の財産に関わる問題であるが、担当者がどっちを向いて証言をするのか 社内でも注目されている様だ。

ー 続 く ー

繰り返される飲酒事故

いつまで飲酒事故の悲劇が繰り返されるのだろう。

昭和のはるか昔、チビチビやりながら営業をするタクシー運転手を見たことがある。
福岡市で15年前に起きた飲酒事故で、幼い3人の子供の命が奪われて以来、飲酒運転撲滅の機運が 全国的に高まったが、先般の千葉の事故では、車内で飲酒するアル中ドライバーによって 幼い命が奪われた。

過去に、タバコを買いに 近所まで飲酒運転で向かう途中、老人をはねてしまったタクシーの運転手を知っている。
交通刑務所に数年間服役した後に、再度自動車免許証を取得するも、再度飲酒運転が発覚し免許証を喪失した。
その後、養子縁組で名前を変えて免許を再取得したが、今では家族も逃げ出してしまい、生活に苦労している。

誘惑に負け 一杯の酒で全てを失ったが、どんなに罪を償っても失われた命が元に戻ることはない。
自分を律することのできない者は、決してハンドルを握ってはいけない。



 

聖火ランナーに紛れた政治家(後)

K氏は平成19年4月、当時勢いのあった民主党公認で県議選糟屋郡(定数3)に立候補しトップで当選、同党政権下の同23年には公認候補として無投票で再選された。
しかし、民主党が下野した後に離党、同27年の選挙では無所属で挑戦し、次点の農政連推薦候補を僅差で抑え3選を果たした。

平成31年4月の統一地方選挙、当初 K氏は4選を目指し、3カ月前の1月には志免町内で 政治資金パーティを開催、自治労福岡県本部は 150万円分のパーティチケットを購入している。
ところが、選挙前に情勢が不利と判断、直前に「本業(警備会社経営)に専念する」という理由で出馬を取り止め 支援者を驚かせた。

聖火ランナーに応募したのはその後、本当に引退して本業に専念して出場したのであれば 文句はつけられない。

しかし、県選挙管理委員会に確認したところ、自身が代表を務める政治団体の解散届は未だ提出していないばかりか、自宅には今でも 政治活動用の看板(期限:令和5年6月まで)を掲示したままだ。
更に最近は、自民党県議団の幹部との関係を口にしながら「前県議会議員」という肩書の名刺を配っているという。

それもそのはずで、地元では 2年後の志免町長選を目指しているという噂があるのだ。
だが 以前の支援者からは 「今のうちに保守層に入り込んで 楽に選挙で勝ちたいという思惑が透けて見える」と厳しい声が上がっている。

選挙に出たいなら堂々と政治活動を行なえばいいが、応募要件を満たさないイベントに 身を隠して出場するような人物は、それ以前の問題と言えるだろう。

ー 了 ー

聖火ランナーに紛れた政治家(前)

緊急事態宣言が出された中での、福岡県における東京オリンピック聖火リレーは、大会関係者が最大の知恵を絞った結果、5月11日・12日の2日間に亘り、無観客での点火セレモニーという形で開催された。

その神聖なる点火に、応募要件を満たさないランナーが紛れていたことが判った。
糟屋郡選挙区の県議会議員として3期務め 2019年の統一地方選挙で勇退した(はずの)K氏(60歳)だ。
現在も政治家として活動中であるにも拘わらず、地元「志免町」ではなく「宗像市」のランナーとして出場し、ポーズを決めていた。

聖火ランナーの応募要件には、「公職の候補者や候補者となろうとする方、政党や政治団体の党首およびこれに準ずる方は聖火ランナーになることはできません。」とある。



K氏は今でも政治活動を続けている。
福岡県に確認したところ、県が選考していれば 当然 要件を満たしていないため外れることになるが、K氏は大会スポンサー枠から応募した様で、県の担当者は K氏が出場していたことに気が付かなかったという。

東京オリンピック2020聖火リレーのホームページには、K氏の志望動機が次のように記されている。
「地域の代表たる公選職としても活動をしてきましたが、今度は、企業人という新しい形で社会の安全を守る仕事に専念するため、このたび公選職を勇退したところです。」

志望した時は2019年、4月に県議を辞めたばかりで その気持ちに偽りはなかったかもしれないが、その後 気が変わったようだ。

ー 続く ー

栗原渉氏を支援する団体と地方議員(福岡5区)

全国数カ所で、次期衆議院選挙に向けての公認争いが勃発する一方で、中には潔く後進に道を譲るベテラン議員もおられる。

福岡5区では、現職の原田義昭議員(76)には 公認を譲る気持ちはなさそうだが、選挙区内の 団体や地方議員らの支援はどれだけあるのだろう。

反対に 立候補を予定している栗原渉県議には続々と支援の輪が広がっている様だ。
6月現在の推薦団体と、支援する地方議員の名前が分かる資料が手元に届いたが、あまりの数の多さに驚いてしまった。

原田議員に関しては、マルチ商法で全国に被害が広がり 複数の裁判沙汰になっている ジェイコスメ(菅原淳司氏)との関係が取り沙汰されており、週刊誌が動き出している様だ。



大牟田市新体育館建設の不思議 ⑦ ■ 糸島市庁舎設計ポロポーザルも1社で決定

梓設計は業界トップクラスで 実力、実績共に 素晴らしい企業である。
大牟田市新体育館建設で、
梓設計が本気を示したことで 業界内で他社が遠慮したと思われるのは前述の通りである。

同じく県内で、梓設計が参加したプロポーザルにおいて、他社が遠慮したと思われるケースがある。
令和元年7月に実施された 糸島市庁舎の基本設計・実施設計・監理業務の公募型プロポーザルは 予定価格 214,457,000円に対し、梓設計1社(者)が参加、審査の結果、191,400,000円 で梓設計に決定している。



市役所に尋ねたところ、1社参加となった理由は特には分からないとのことだった。
競合がなく、1社のみで決まるのは市民にとっていいことではない。
提案内容は1つで比較対象がないばかりか、価格も1社の言値で決まる。

現在、計画や設計・建築の分野の発注方式で、主流になっているプロポーザル方式だが、必ずしも発注者の思惑通りに進んでいないのが現状だ。

競争入札と違い プロポーザル方式は業者にとって 手間がかかり面倒、更にJVを組むとなれば多くの労力と時間を要する。
競合が多かったり、有力な参加者がいたり、取れる可能性が低ければ 無駄な参加は避けたいところだろう。
そのため参加者が限られ、発注者は 数少ない提案の中から選考せざるを得なくなる。

今回の大牟田市の一連のプロポーザル選考結果を見るにつけ、現在のプロポーザル方式では限界があるように思われる。

前述の業界関係者が プロポーザル方式の問題を指摘する。

「業界ではプロポーザル方式そのものが恣意的に決められるというのが常識です。
選考委員は発注者の息がかかっていることが多く、市の関係者が半数以上という酷い自治体もあります。
地元の首長や国会議員の筋から どこの業者が取りに来るか想像はできますので、手応えがなければ他社は 鼻から参加せず、無駄な労力を使うことはしません。
でもそうなって困るのは 本命の会社、1社のみの参加となると 議会で追求されることもあるので、競争しているように見せるために、形式的にお友だちに参加してもらって 体裁を整える必要が出てくるのではないでしょうか。」

仮に体裁を整えるために ダミーに参加させるとなれば、それこそ出来レース、談合だ。

次回、今年プロポーザル方式で体育館建設の業者選考が行われた2つの自治体の結果を紹介する。

ー 続 く ー

共産党福岡市議団にエール

2020年の国勢調査の速報値が公表され、国会議員から地方議員に至るまで、次回選挙の区割りや定数が気になり出した様だ。

福岡市の人口は全行政区で増加しているが、特に博多区と中央区の伸びが著しい。
今後市議会では議員定数についての協議もされるが、定数62のまま人口比で計算すると、博多区・中央区の定数が各1増え、南区・城南区の定数が各1減ることになると思われる。

さて、日本共産党福岡市議団は現在6名で構成されている。
前々回の選挙までは各行政区に1名の議員が当選していたが、前回は博多区の候補が油断して議席を守れなかった。

心配なのは次回選挙、当選した6名も、東区を除く5名の議員は下位の得票で辛うじて滑り込んでおり、支援者の高齢化も進んでいるため思うような選挙運動も出来ず、更に苦戦が予想される。
定数が減りそうな南区と城南区の市議会議員は特に危ない。

国会にも地方議会にも共産党ならではの視点と鋭い切り口は必要だ。
他の政党の目の届かない弱者の代弁者として、議席を確保してくために、コロナに負けずこれまで以上に政治活動に励むと同時に、若い世代のサポーターを増やしていく必要があるだろう。

NEXCOと大島産業(30) ■ 舐められた会計検査院

ある意味分かりやすい、会計検査前のあからさまな人事異動、そこまでしても隠したい不都合な事実があるということの証と言ってよいだろう。

これまで会計検査院で公表されている多くの不正工事の事例では、何故間違ったのか、どこが無駄なのかが詳細に説明されているが、中日本は耐震偽装工事が起こった経緯について、真摯に、そして正直に話す意思は無いということになる。

会計検査院は「内閣から独立して存在する国家機関」であるが、中日本の受検姿勢を見る限り、国の調査に誠実に回答することを拒絶するという愚かな意思表示にしか思えない。
会計検査院も舐められたものである。

中日本は耐震偽装判明後に行った補修記録と形式的な予防対策のみを報告して、早期に幕引きを図るつもりかもしれないが、大島を契約解除した後の構造物の扱い、中日本の補修費の扱い、損害賠償費の支払についての扱いは一切決まっていない。

内規に拠らない不正精算、国の資産としての粗雑構造物をどうするのか、明確な回答を得ない限り、会計検査を終えることはないはずだ。

中日本の冷酷な人事は、社内のみならず東日本や西日本の社員も知るところとなっているという。
NEXCOの社員たちが 会計検査院の独立を信じ 検査の行方を注目している。

ー 続 く ー

NEXCOと大島産業(29) ■ 会計検査直前に人事異動

7月の早い段階で会計検査が行われるという情報が入った。

会計検査院は、大島産業の耐震偽装が発覚した直後、NEXCO中日本八王子支社の検査を行った様だが、当時は内部でも真相が不明な点が多かった。
会計検査は通常は年度を跨がないと言われているが、第三者調査委員会の調査結果の進行具合を見ながら追加検査の時期を見計らっていたと思われる。
しかし、調査が予想以上に時間を要していることから、会計検査院の堪忍袋の緒が切れたといったところか。

今回、会計検査院がターゲットにしている項目のうち、大島になぜ7億円もの大幅増額が認められたのか、その経緯や指示系統が最大のポイントと思われる。
前述のように、国会でも取り上げられたが、材料費や警備費の水増しが疑われている問題に中日本は未だ回答しておらず先延ばしにしたままだ。

その真相は、増額の契約書の決裁をした7名に直接聞けば判る。
簡単なことだ。
しかし、そのうち6名が会計検査の直前に異動となり、会計検査は 新しく赴任したばかりの6名の後任者が受検することになる。
本当に何も知らない者たちは、「知らない。分からない」と 事実だけを話すことになり、ある意味、正直に受検することになるだろう。

中日本に 誠実に検査に協力する気持ちがあるのなら、会計検査が全て終わってから人事を行うのが、公共事業を担う企業の本来あるべき姿ではなかろうか。

ー 続 く ー

NEXCOと大島産業(28) ■ 衝撃の左遷人事

6月中旬、NEXCO中日本において、令和3年7月1日付の定期人事異動が発表され、大島産業が行った耐震工事で、契約書の決裁権者の殆どが異動になることが判った。

当初6億円の契約が最終的に13億円に増額、その内訳の中に不正が疑われるものも含まれており、国会でも質問されていたが未だ正式な回答はされていない。
しかも、第三者調査委員会が終了していない中でのこの人事は 何を意味するのだろうか。

前の記事「契約変更に何重ものチェック(2021年6月19日)」で書いた通り、決裁権者は7名だった。
八王子支社長は、本社に異動予定だったが 6月24日付で退職していた。
八王子支社の高速道路事業部長と構造技術課長、保全・サービスセンター所長の3人はグループ会社に出向、同副所長と担当課長は別の支社に降格左遷となっている。

決裁権者7名のうち6名が異動(うち1名は既に退職)というのは衝撃だ。

中日本では人事異動を行う場合、発表の1ヵ月程前には希望の聞き取りがあったり、内示が出されることが通例であるが、今回は発表前日に急遽決定したという。

実は、その直前に会計検査院の検査が行われる日程が通知された様で、そのことが 人事に関係しているのではと 噂になっている。

ー 続 く ー

大島産業の契約変更を 決裁した7人の人事

大牟田市新体育館建設の不思議 ⑥ ■ DBプロポーザルに梓が参加?

大牟田市新体育館整備の最終段階で DB(実施設計及び施工)を行う業者の プロポーザル方式による選考が 下記日程で行われる。
既に、参加表明の締め切りは終わっており、あとは技術提案の評価が7月下旬~8月上旬に予定されている。

参加条件は、経審1500点以上のゼネコン、経審790点以上の市内業者及び設計会社3社によるJVとされ、梓設計が準大手ゼネコンF社と地場U社とJVを組んで参加表明をしているという噂がある。



業界関係者は次のように話す。

「今回の大牟田市新体育館、梓さんの本当の狙いは額の大きい(約50億円)デザインビルドでしょう。
まず予定価格の半分に近い額で基本計画を受注した時点で、業界内で梓さんの本気度が分かりました。
それから他社は遠慮したようで、その後の基本設計とCMR(業者選定支援)のプロポーザルには お友だち以外は参加しませんでした。
基本設計は 1社参加でしたし、CMRは2社の参加でしたが1社が失格したので実質1社、不自然ですよね。
DB(実施設計及び施工)のプロポーザルも 梓さんのグループ以外に 参加するJVがいくつあるか見ものです。
競合があったとしても 結局梓さんところが勝つと思います。」

妙に説得力のある内容だが、確かに ここで梓が取らなければ 何のために基本計画を半額で受注したか分からない。

ー 続 く ー



 

相次ぐ「次世代へのバトンタッチ」・衆院選

自民党のベテラン議員の 次期衆議院選不出馬が続いている。

5月26日に、宮腰光寛元1億総活躍兼沖縄北方担当相(70歳8期、富山2区)が、保守分裂を回避して即断即決で不出馬を決めていた。

6月19日は、塩崎恭久元官房長官(70歳8期、衆院愛媛1区)が不出馬を表明、「重要な政策課題が一定程度、形ができ政治活動に一区切りついた」と言及するとともに、「次世代へのバトンタッチ」等の理由を挙げた。

そして昨日24日、冨岡勉元文部科学副大臣(72歳4期、比例九州)が 長崎1区からの立候補を見送ることを表明した。

3名共に 70歳台前半にして まだ早過ぎるという声もあるが、世代交代を図りたいという理由は共通している。

一方で、公認争いで注目されている選挙区では、原田義昭前環境大臣(76歳8期、福岡5区)や河村健夫元文部科学大臣(78歳10期、山口3区)のように、椅子にしがみつこうとしている政治家もいる。

自民党は 野党に比べ人材は豊富、その割に上が つかえており、若手に不満が燻っているのも事実だ。
80歳手前、そろそろ後進に譲って、やる気のある若手の後方支援をしようという気に ならないのだろうか。



 

商工会議所のトップ

福岡商工会議所の新しい会頭に、西日本シティ銀行頭取の谷川浩道氏が就任した。
谷川氏には コロナ禍で落ち込んだ福岡市の経済を、商工業者のトップとして牽引して頂くことを期待している。

ところで、一国一城の主が集まる商工会議所のトップとなると、地元の商工発展に尽力する熱い想いは元より、組織をまとめる力量や 幅広い人脈が必要だ。
国会議員の後援会長を務めるなど 政治にも影響力をもつ名誉職であり、そのポジションを密かに目指す経営者は少なくない。

地元の上場企業や、従業員数の多い企業の経営陣の中から選挙で選出されるのが一般的だが、地方に行くと 相応のバックボーンのないトップも稀に見られる様だ。
深謀遠慮を巡らし そのポジションを手に入れた後は、ライバルを抑え長期政権を維持するための知恵も必要だ。
任期中に副会頭を増やし、近親者を入れて味方を増やす方法で 盤石の体制を築くという方法もある。

福岡県内には、過去に 同窓生を通じ 関東と地元の暴力団同士を仲介したという噂で、別の意味で一目置かれている会頭もいると聞く。
民間企業もコンプライアンスに対する姿勢が問われる時代、そういった方には不向きなポジションであることは明白、そろそろ地元若手経営者らが一つとなって 引退勧告をした方が良いだろう。

被害者を訴えた逆切れ裁判 ⑦ ■ みんなで被害者虐め

美風交通が年間1億円の新しい仕事を始めた途端、1ヵ月の間に同じ場所・同じ時刻に2度のもらい事故に遭い、仕事を失い、別の会社がそれを受注したのは事実である。

タクシー会社や九州産交バスが 「会社」として 故意に事故を起こすことは考えられない。
あるとすれば、運転手個人か。
事故から3年半過つが、今となっては真相は闇の中である。

最後に、被害に遭った美風交通について。

これまで報じてきたように、2回目の事故について 加害者の九州産交バスと三井住友海上から損害賠償を求めて民事訴訟を起こされ、約3年もかかって1審判決が出た。
完全に停車していたにも拘わらず 美風側に 過失割合30%があるという到底納得のいかないもので、美風は控訴している。

これまでの記事はこちら

他にも 美風にラッピングバス運行を要請してきた旅行会社S社が、契約金の一部 1775万円の返還を求めて提訴してきている。
S社は 美風が2度の事故を起こし 顧客の安全を確保できないという理由で契約を解除してきたものだ。

また、今年になって 2回目の事故の修理費用 317万3310円の支払いを求める裁判が 三菱ふそうトラック・バス㈱(神奈川県)より提訴されている。
通常、修理費用は過失割合に応じて双方の保険会社が直接支払いを行うが、ぶつけた九州産交バスの保険会社「三井住友海上」が 過失はないとして提訴したことで、3年間修理費用が支払われていない状況だ。
三菱ふそうが請求するのは当然であるものの、事故の被害者である美風に 立て替えてでも支払うように 主張している。

裁判が終われば いずれは入る金、三菱ふそうほどの大企業がわずか300万円程度の額で 裁判まで起こすのも疑問だが、同社の広報担当によると 裁判の内容については個別に答えられないという。

美風は事故で仕事を失った後に裁判で訴えられ、現在も 大企業相手に係争中である。
あまりにも理不尽で、みんな寄ってたかって弱い者虐めをしているように見えても仕方がない。

今回で連載は終わるが、新しい情報が入れば 引き続き報じていきたい。

ー 了 ー

大牟田市新体育館建設の不思議 ⑤ ■ CMRと設計会社の強い絆

一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会(以下CM協会)という団体がある。
コンストラクション・マネジメント方式とは、建築物の発注や管理業務において、これまで発注者と施工業者と直接やり取りをしていたものを、コンストラクションマネージャー(CMR)に間に入ってもらう 発注方式で、発注者側の時間や労力、金銭的コストの削減ができるとして、公共工事で 採用する自治体や団体が増えている。

CM協会は、その発展と普及を目的に 2001年に設立された団体で、その現在名簿に記載されている事業数は 団体会員26、個人会員5、会員を見ていくと、CMに特化したコンサル会社もあるが その性格上 設計会社が多い。

そして、注目すべきは協会の役員(下表)だ。
会長には ㈱山下設計のグループ会社 ㈱山下PMC代表取締役社長が、そして 常務理事に 明豊ファシリティワークス㈱代表取締役会長 と ㈱梓設計の執行役員が就いている。
これを見ると、CMRと設計会社はそもそも強い絆で結ばれている印象を受ける。

そう言えば、SAGAアリーナの基本設計業者選考の際のCMRは 山下PMCで、プロポーザル方式で 梓設計が最優秀者に選定されていた。

大牟田市新総合体育館整備事業に話を戻す。

梓設計  →  明豊ファシリティワークス  →  山下設計

これが、今までの流れとなっており、間もなくデザインビルド方式の業者選考が始まる。

ー 続 く ー

一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会 役員一覧

NEXCOと大島産業(27) ■ 上層部の関与で機能不全に?

大島産業は、低入札価格による落札後の審査で、「本件工事で 下請けに不払いや粗雑工事をしない」という誓約書をNEXCO中日本に提出している。
それにも拘らず、工事期間中に数回、下請け業者と思われる差出人から、福岡県やNEXCO3社、国交省、政治家宛に 不払いや施工体制の偽装を告発され、工期も大幅に遅延していた。

なぜ中日本は この段階で工事を打ち切り、契約を解除できなかったのだろうか。
仮にそうしていたら、中日本自体の信頼性を貶めることになる この騒動は起きなかったはずだ。

「今回 社内の幾つものチェック機能が働かなかったことで、歴史に汚点を残す耐震偽装工事を引き起こしましたが、NEXCO中日本の上層部の関与、便宜指示により組織全体が機能不全になったことが原因ではないでしょうか。」
前出の関係者はこう指摘する。

第三者調査委員会というが、実質的に聞き取りを行っているのは社内の人間、その聞き取った資料を基に、外部の有識者が判断する仕組みとなっている。
社内の人間が調査するのだから 当然忖度が働き、真の第三者調査委員会と言えるかというと 疑問だ。

その聞き取り調査でも、職員らの主張に食い違いが見られる案件が多過ぎて、真相解明に時間が掛かっているのが現状だが、こうした委員会の仕組みでは 核心に迫るのは難しいと見られる。

現在、中日本と取引がある大手施工業者の間では、前代未聞の不正業者の特別扱いに「あまりに不公平」という声が上がっている。
第三者調査委員会の最終報告を含め、中日本の後始末の行方を 数多くのNEXCOの工事請負企業も注目しているのだ。

ー 続 く ー

脇が甘いで済まされない 原田義昭議員

週刊新潮 及び デイリー新潮が、「インチキ『太陽光発電会社』の広告塔だった政治家」という見出しで、太陽光発電関連会社「テクノシステム」の社長、生田尚之容疑者と政治家との親密な付き合いを報じている。

生田容疑者は、小泉純一郎元総理との対談や麻生大臣のパーティー券購入や小池知事への政治献金もあったという。
他人を信用させるのに 大物政治家と写った写真を顧客に見せるのは、ジャパンライフ流の詐欺の常套手段である。

福岡5区の原田義昭代議士も 環境大臣を務めたことで、生田氏の格好のターゲットにされ、広告塔に使われた様だ。

脇の甘さでは以前から定評のある原田氏だが、別件で 全国で被害が広がっているマルチ商法の化粧品会社「ジェイコスメ・ジャパン」の広告塔だったことも判っている。
こちらの方は、顧問弁護士まで務めていたとされており、脇が甘いでは済まない関係性ということだ。

ジェイコスメ被害と原田氏については、全国の被害者からも情報が寄せられており これからも報じていきたい。


デイリー新潮のウェブサイトより

 

NEXCOと大島産業(26) ■ 契約変更に何重ものチェック

さらに続けて

「また、契約金額が 50%を超える変更となれば、出先機関の上部に位置する支社担当部門も含めた何重もの厳しいチェックが必ずあります。
つまり末端の 工事事務所の一課長の一存で、工事費を2倍になどできません。
13億円に変更する契約が確定したとなれば、①保全サービスセンターの課長、②同副所長、③同所長、その後に 支社の ③担当課の担当者、④担当課の担当者、⑤課長、⑥部長、⑦支社長の決裁が済んでいるはずです。」

と話してくれた。

つまり、現在 水増し請求の疑いがある異常な変更金額について、少なくとも支社までは同意していたのである。
この7名全てが 気が付かなったというのは 有り得ないのだ。

加えて、NEXCO3社においては、工事体制や金額など全般について要領を管理する工務部門が 絶対の権限を持っていると言われており、黙認していたと思われる。

これが真実なら、NEXCO中日本は組織ぐるみ、政治案件ということで上層部に忖度し、チェック機能が働かない組織体質になっているということが言える。

ー 続 く ー

新人候補の身体検査

国会は閉会し解散総選挙はパラリンピック終了後、総裁選前になりそうだが、福岡県内では首長選挙や地方議員の選挙が随時行われており、お陰様で記事のネタには事欠かない状況が続いている。

最近は、企業や政治家と反社の付き合いに福岡県警も厳しく取り締まっているが、五十路を過ぎた候補者の中には過去に反社会勢力との結びつきがあった者も紛れている様で、新人候補に公認や推薦を出す政党は 水面下で事前の身体検査を行っていると聞く。

県内には5つの指定暴力団があり県警が常々目を光らせているだけに、脛に傷を持っている者より、何も知らない若者に任せた方が伸び伸びと働いてくれるのではなかろうか。

選挙区を大事にしない政治家の末路

さすが元検事だけあって、よくもまぁ これだけの理屈をこねたものだ。
山尾志桜里衆院議員が 国会議員を引退することを表明した。

自身の動画で、「10年一区切り、永田町に一番必要なのはプレーヤーの交代、新陳代謝が必要、政治という磁場から離れた方が目標が達成できる」など、もっともな理由を述べた。
文字にすると1600字以上の長文になる。

だが、額面通りに受け止める者はいないだろう。
山尾氏は 次期衆院選比例東京ブロック単独1位での立候補が内定していた。
10年一区切りという言葉が白々しい。

週刊誌報道が最も大きな理由と思われるが、いずれにせよ、国民民主党の支持率が伸びず 比例枠を確保できる見込みがないことが決め手になったのだろう。

当選させて頂いた選挙区(愛知7区)を大切にしない政治家の末路と言える。

諏訪大社でパワーを頂く

仕事で諏訪市へ。

近くに諏訪大社があるので 約束の時間の合間に参拝した。
松本城の次は 諏訪大社、まるで観光だがそうではない。
全国各地1万余の諏訪神社の総本社、かねがねお参りしたかったのだが お陰様で導かれ 夢が叶った。

諏訪大社は  上社(本宮、前宮)と諏訪湖を挟んで 下社(春宮、秋宮)の2社4宮から成るが、今回は上社本宮。
こちらも コロナの影響で参拝客は まばら、静寂の中でパワーを頂くことができた。

いつの日か観光で、1日かけて4宮の参拝ができればと思う。

NEXCOと大島産業(25) ■ 政治案件工事の金額変更

発覚した耐震偽装問題を調査する第三者調査委員会で、2月18日に開催された第4回の議事概要に、「変更契約に関して、増額の根拠に不明確な点があることなどが判明しており、変更契約金額の妥当性に疑義が生じていることから、工期延長の理由と合わせ、更なる調査・検証が必要である」と記載されている。

つまり、当初契約額6億円から 最終変更金額13億円になった経緯について明らかにするということだ。



工事費が水増しされた疑いがあることについては弊社記事でも指摘してきたが、7億円も増額される過程で、NEXCO内部にチェックが働く仕組みがあったかどうかという点が疑問である。

その点について、NEXCOの内情をよく知る関係者に尋ねてみた。

「この契約変更の途中には、大島産業がNEXCO担当職員からパワハラを受けたとして告発がありました。
地元国会議員を使って国交省経由でNEXCOに抗議があり、担当を外す形でNEXCOは謝罪しています。
この工事自体が政治案件ということで、NEXCO本社は認識していますので、工事の精算状況を経営陣が知らずに現場任せにしていたはずはありません。」

つまり、経営陣は 政治案件の工事だったため、契約金額の大幅変更について承知していたというのである。

ー 続 く ー

松本城天守閣にひとり立つ

出張で長野県松本市を訪ねた。

訪問先の目の前が 松本城だったので、天守閣まで上ってみた。
漆黒の姿の美しさで知られ、現存する最古のうちのお城の一つと言われる松本城、インバウンド客が殺到していた頃は 天守閣まで行列で2時間待ちだったという。

朝一番ということもあって、筆者がお城に入った時は2組ほどいたが、天守閣に辿り着いた時は 自分ひとりだけ、少しだけ 得した気分になった。

長野県は緊急事態宣言の対象地域ではないが、地元の人の話によると観光客は例年の1割未満ということらしい。
オリンピックで訪日する観光客の需要も見込んでいただろうが、それも叶わなくなった。

GoToキャンペーンを批判するのは簡単だが、観光地の現状を見ると両立できないものか、頭を痛める政治家の気持ちも分かる気がする。



 

被害者を訴えた逆切れ裁判 ⑥ ■ 一番得したのはJ社?

平成29年10月、美風交通は 運輸局より大型バスの保有が許可され運行開始した。
そのわずか6日後に1回目の事故、そしてその1ヵ月後に同じ場所、同じ時刻に2回目の事故、2度続けて「もらい事故」という不運が続いた。

そして同年12月、旅行会社S社から 検討していた新規契約(5年でラッピングバス3台)の契約を解除したいとの申し入れがなされた。
「運行状況において2度の事故を起こしており、顧客に怪我を負わせては遅いから」という理由である。

その後、5年でラッピングバス3台の仕事は、韓国系の免税店の子会社J社が受注することになった。

棚ぼたで 一番得をしたのは J社だ。

実は、平成29年8月に、S社が美風交通とラッピングバス2台の契約を締結したが、それまでS社の仕事を請け負っていたのがそのJ社だったという。
S社のラッピングをするということは、他社の仕事はしないことを意味する。
S社は 他の旅行会社の仕事もするJ社より、ラッピングして自社専用のバスを走らせてくれる美風交通に乗り換えた。

また、J社は日帰り観光の最後に J社の親会社の免税店に ツアー客を連れて行っていたが、美風交通はツアー客を 国内の免税品を扱うドラッグストアに案内し 売り上げの10%をS社に戻すことにしており、S社にとってメリットが大きかったのである。

S社は こうしたビジネス上のメリットがあって美風交通に乗り換えたのだが、顧客を奪われたJ社にとっては 年間換算で1億円の売上が無くなったことになり、死活問題だったと思われる。

2度の連続もらい事故が、ただの偶然なのか、それとも何か大きな力が働いたのか。

ー 続 く ー



 

やったもん勝ちで終わった無許可工事・嘉麻市 (後)

Y社は、昭和48年創業の老舗の無借金経営で技術的にも定評のある企業、平成17年には Y社代表が居住する嘉麻市に、代表の妻を社長とする同業会社E社を新設し、嘉麻市発注の工事に参加を始めた。
その翌年の18年、E社と同一住所に Y社嘉麻支店を併設(無許可)している。
そのことで、1つの工事に 実質ワンオーナーが 2社で入札に参加できるようになった。

無許可で受注した2件のうちの1つが、平成30年8月に行われた市営農泊施設の衛生設備工事(予定価格税抜4904万8000円)だ。
一般競争入札だったが、応募条件から市の業者の参加が限られており、Y社嘉麻支店と E社、そして別の1社の3社競合となり、 結果的に Y社が落札率99.9%で受注している。

市は昨年、住民からY社が無許可受注しているとの指摘を受け調査を開始、虚偽申請が認められたとして、Y社を1月付けで3ヵ月間の指名停止処分とした。
そして6月11日、工事の不備はなかったとして、Y社に工事代金の返還までは求めない方針を示した。

結局、入札の経過も不透明なまま、 無許可の「やったもん勝ち」となり、業者選考のルールの不備が露呈した格好となった。
今後 仕事の全体量が減る中、一部の業者があの手この手を考えて仕事を奪い取りに来ることが想定され、ルール違反に行政が甘い対応をすれば、「やったもん勝ち」を良しとする業者が後を絶たないのではなかろうか。

ー 了 ー

やったもん勝ちで終わった無許可工事・嘉麻市 (前)

福岡市都心でも、建設業界におけるコロナ不況の足音が微かに聞こえてくるが、地方では人口減に伴い民間工事が減る一方で公共工事の抑制も見られ、受注競争は激化している。

筑豊地区の指名競争入札では、コロナ禍以前から最低制限価格で複数の業者が札を入れ抽選で決まるという傾向にあったが、中には仕事欲しさにアンフェアな手を使う者も出てきた。

問題となったのは 飯塚市を拠点に管工事等を手掛ける Y社(本社:飯塚市)だ。
Y社の嘉麻支店が県の建設業許可を受けていないにも拘わらず、嘉麻市発注の公共工事2件(計7912万円)を受注していたことが判った。
建設業法では、請負契約を常時締結する支店は建設業の許可が改めて必要とされているところ、許可を得ないまま同市に公共工事の指名登録願いを申請していた。

しかし、嘉麻市の登録業者の話では、市の契約担当課による必要書類のチェックは厳しいため、許可証を持っていないことを見抜けないはずがないという。
少なくとも、Y社は分かっていた。

そして、平成30年8月に行われた入札は、不可解なものだった。

ー 続 く ー



 

自民系一騎打ち、宮若市・鞍手郡県議補選

福岡県議 宮若市・鞍手郡選挙区の補選(6月18日告示、27日投開票)まであと1週間を切った。
現在までに、宮若市議の川口誠氏(55)と山本幸三衆院議員の公設秘書の花田尚彦氏(35)が出馬の意向だ。



共に自民党公認を目指していたが、最終的にどちらにも 公認は出ていない。

当初、自民党宮若・鞍手連合支部の役員会において、川口氏で公認申請をすることに決定、同支部から県連に公認申請が提出された。
しかし、同じく公認申請を希望する花田氏について、同支部で面接の機会が設定されなかったことで支部内の地方議員らが反発、同支部ほか、福岡県連と8区総支部(麻生事務所)宛に抗議文を提出したことで 手続きが前に進まなかった。

選挙まで日が迫ってきたこともあって、選挙に向けた討議資料の印刷が出来ないことから 川口氏が公認申請を取り下げたという。

川口氏は旧宮田町時代を含めると議員5期目のベテラン、人口の多い宮若市を地盤にしているところが強みだ。

花田氏は 人口が少ない小竹町出身だが、秘書として培った県議会や国会へのパイプを活かしたいと語るように、事務所には 県議や国会議員からの為書が続々と届いている。

戦前の予想では 両者拮抗、熱い戦いの火蓋が切られようとしている。



 

大牟田市新体育館建設の不思議 ④ ■ CMR選考で2社中1社失格

③ 令和2年 事業者選定等支援業務(公募型プロポーザル方式・随意契約)

次は事業者選定等支援を担う業者、いわゆる コンストラクションマネージャー(CMR)と呼ばれる業者の選定である。
公共施設整備は、基本設計 → 実施設計 → 施工 という流れであれが、ここ数年、施工業者(デザインビルド方式を含む)の選定に、自治体が CMRの手を借りるケースが増えてきている。



発注者する自治体は、CMRからの技術的な助言・指導により 工事の品質を確保でき、事業全体を最適化することでコストダウンができるメリットがあるとされている。
CMRはその性質上、業務を設計会社が担っており、後述するが、ある意味 業界に創出された新たな業務と言える。

話を戻すが、CMR選定においては また不思議なことが起こった。
公募型プロポーザル方式で募集があったのが昨年7月、応募したのは2社、A社と 東証1部の明豊ファシリティワークス㈱だった。
1次審査では、A社の点数が上回っていたので 相応の実力を持つ設計会社だったと思われる。

ところが、1次審査後に応募要件を満たさない項目があったことが発覚したということで失格になり、2次審査に進めなかったというのだ。
結局、1社のみの審査で明豊ファシリティ―ファークスに決定、2552万円で契約が結ばれた。

事業者選定等支援業務も 基本設計に続き1社で決まる結果になったが、これは偶然と言えるだろうか。

ー 続 く ー

魔の三回生、武井俊輔衆院議員

自民党の武井俊輔衆院議員(46歳、宮崎1区、岸田派)の秘書が運転する乗用車が自転車と接触し逃げたことが報道されたが、本人も同乗しており 車検切れ、保険切れの車だったという。
車検代が払えないほど お金に困っていたわけではあるまい。

野党議員の「身の毛もよだつ」発言が話題になっていたが、さすが魔の三回生だけあって、自民党の先生も「お約束」 で 想定外の洒落にならないネタを提供して下さる。

武井氏については、「政権幹部が候補者差し替えも検討する」という話もあり、岸田会長も さぞかし頭が痛いところだろう。

NEXCOと大島産業(24) ■ 今後もひび割れが広がる可能性

専門家の指摘はまだ続く。

最悪なことに、その場所がグランドアンカー台座という耐震構造で重要箇所の付近であるため、将来の損傷劣化により機能障害が懸念されるとのことである。

そして、専門家が何より驚いたのが横方向のひび割れだ。
この道30年のベテランだが テキストですら見たことがない症状で、単なる粗雑施工の結果とは考えにくいというのだ。
「NEXCO中日本が 本当に調査をしたのか疑問で、心ある技術者なら100人中100人が問題ないとは言わないレベル」とまで言い切った。

そして、補修箇所のひび割れ幅の程度と 工事完了時期から、ひび割れの進行が停止したかどうかを 中日本は十分確認し 補修していないのでは、と疑問を呈した。
補修したとしても、ひび割れが広がる可能性があり、今後長期的に劣化、耐久性に心配がある構造物の可能性が高いということだ。

国立橋の場合、国道の歩道から確認できたが、「緑橋」のように高速道路からしか行けない橋梁でも、同様の施工がされている可能性がある。

弊社記事「NEXCOと大島産業(21) ■ 早期幕引きを図る声 (2021年4月28日)」で書いたように、仮に天から早期幕引きを図る声が聞こえたとしても、中日本は踏み止まるべきだ。
拙速な判断、妥協、うやむやな精算処理を行った場合には、後々粗悪な品質から起こった事故、不具合の賠償責任、補償義務は中日本となることに留意しなければならない。

ー 続 く ー

大牟田市新体育館建設の不思議 ③ ■ 基本設計に応募したのは1社のみ

ちなみに、805万円もの随意契約だったが 市のホームページでは公表されていない。
大牟田市の契約規則には、「工事に係る測量、設計等の委託契約 50万円以上」の随意契約は公表することになっている。

この点を尋ねたところ、基本計画は設計ではないので 規則に該当しないという回答だった。
厳密には設計ではないが、委託先は設計会社だ。
それに、該当しないから公表していないという理由は、情報公開制度の趣旨に反していると指摘されても仕方がないだろう。

 

② 令和2年 基本設計策定業務(公募型プロポーザル方式・随意契約)

基本計画の次は基本設計、大牟田市のホームページには、昨年5月に 公募型プロポーザル方式の公募が広告され、6月末に最優秀者が決定したことが書かれている。

書かれていることは間違っていない。
しかし、これだけ読むと 複数の業者が技術提案をしたように捉えられるが、実際に参加したのは ㈱山下設計1社のみ、 4741万円の契約である。

仮に指名競争入札の場合 1社入札は成立しないが、プロポーザル方式だったから 1社応募でもセーフだった。
審査した結果、同社の提案は素晴らしかったということだが、競争相手がいれば 更にいい提案があったかもしれない。
参加者が少なかった理由について市の担当者に尋ねたところ、「基本設計業務のみというのは 設計会社にとって旨味の少ないためでは」ということだった。

山下設計は、令和元年6月の基本計画の見積り合わせの際、予算額1500万円と分かっていながら 1500万円で見積った いわゆる 取る気がなかった業者だ。
業界大手の山下設計に 基本設計を取る旨味があったということか。
それとも何か他に メリットがあったのだろうか。

ー 続 く ー



 

 

NEXCOと大島産業(23)■ 中日本が問題なしとした国立橋

NEXCO中日本が昨年11月、大島産業との契約の解除を行い、耐震偽装箇所の「緑橋」「北原橋」「絵堂橋」において 中日本自身が再施工を行っているが、他の橋梁においても杜撰な工事を行っていた疑いが出てきた。



東京都国立市で中央自動車道が国道20号と交差する箇所にある「国立橋」、ここでも大島が耐震補強を行っている。
今 現地の橋台を確認すると、工事後1年も経たないのに、樹脂塗料にて幾筋もの補修後がある他、壁面から水が滲み出た白い筋が数箇所見られるのだ。
問題発覚後、中日本が調査報告を行った結果「品質的に問題無い」と発表した箇所である。

道路建設の専門家に 現況の写真を見せたところ、問題と思われる点を幾つか指摘してもらった。

まず、補修の跡が数多く見られ幅も広いことだ。
コンクリートの打ち重ねの箇所であろうか、白い横線の一部が剥がれ落ちており、後々剥がれ落ちが進行して、水分、酸素が侵入し内部の鉄筋の錆につながるという。



次に、壁の途中の白いシミと黒い筋が見られる。
壁の中に水の通り道があり、コンクリート中の成分を溶かして滲み出てきているもので、いずれコンクリートの中の鉄筋が錆びて膨張し、歩道に剥がれ落ちてくる危険性があるそうだ。

ー 続 く ー



 

 

甘い調査委員会報告

総務省接待で、NTTの澤田純社長ら16人が処分された。

Click→関係役員等の処分

オリンピック開催の是非で世論が揺れる中の発表に霞んで見えるが、決してこれで終わらせてはいけない問題だ。

一見厳しい調査結果の印象だが、調査をしたのは「NTTが設置した」特別調査委員会、「行政判断が歪められた事実は確認されなかった」と結論づけたことには、違和感を覚える。
何の見返りもないのに、高級官僚に高額接待を繰り返すお人好しはいないことは猿でも分かる。

NTT民営化後、分社化完全民営化を目指してきた方向性が、接待攻勢の後の昨年、NTTドコモの完全子会社化を国が認めたことは偶然ではないだろう。
これまでの政策と逆行することになったが、これこそ行政が歪められたことに他ならない。

身内の調査委員会が出した甘い結論に、誤魔化されないようにしなければならない。



 

大牟田市新体育館建設の不思議 ② ■ 基本計画の見積り、本気は2社

順を追って見ていく。

① 基本計画策定業務(見積もり合わせ・随意契約)

平成31年度(令和元年度)の当初予算では、1500万円が基本計画策定費用として計上されていたが、令和元年6月に 見積もり合わせで ㈱梓設計(東京都)に決定、契約金額は805万円だった。
見積り合わせとは、発注者(市)側が 市に登録した業者の中から、条件に合致した業者数社に見積もりを依頼した上で決定することで、随意契約となる。

そもそも 予算が1500万円の高額にも拘わらず、なぜ随意契約かという疑問がある。
通常、市町村が随意契約できるのは 工事または製造の請負においては130万円以下とされているが、性質または目的が競争入札に適しない場合は随意契約できると 法令で認められている。
確かに、総合体育館の基本計画なので 誰でも参加できる一般競争入札には適していないと思われるが、多くの自治体で「指名競争入札」や「プロポーザル方式」で業者選定が行われることが殆どだ。

見積り合わせの結果だが、見積りを6社に依頼、そのうち3社が辞退している。
残った3社が見積った金額は下表の通りである。



落札した梓設計が 805万円、パシフィックコンサルタンツ㈱が1189万円、㈱山下設計が 1500万円 と 金額にかなりの開きがあった。

予定価格は事前、事後も非公表ということだが、当初予算の額が1500万円ということは業者も調査済みだったはずで、このことから本気で取りに来たのは、梓設計とパシフィックコンサルタンツの2社だったと思われる。
それにしても、予算の半分近い金額で見積もった業者、その思惑は…?

ー 続 く ー

 

意外と早いクリニックでのワクチン接種

「福岡市コロナワクチン予約空き状況検索」というサイトで、今後2週間、どのクリニックや会場で いつ予約が空いているのか分かる。

意外にも 福岡市内のクリニックで、1週間後にワクチン接種可能なクリニックがある。
集団接種会場より早く接種することが可能で、現在予約している会場接種を変更することが出来るという。

出来るだけ早い接種を希望する高齢者の方は、こちら↓で確認して下さい。

Click→ 福岡市コロナワクチン予約空き状況検索

公務員に都合のいい制度

6月3日、育児・介護休業法の改正法が衆議院本会議で成立した。

来年4月から企業は対象の従業員に対し、個別に周知し取得を促すよう義務付けられるほか、産後8週間以内に計4週間の休みを2回に分けて取得できるようになるという。

そりゃあ、 大企業と公務員にとっては 目出度い話かもしれないが、小規模の企業の会社員や自営業者など、代わりになる人材のいない事業者には 全く関係のない話だ。

公務員に都合のいい法律が成立するたびに、違和感を覚えるのは私だけか。



 

被害者を訴えた逆切れ裁判 ⑤ ■ 1ヶ月で2度のもらい事故

この話はまだ奥が深い。

今回の事故の判決が出るまで提訴から3年を要したが、実は美風交通のバスは、この事故の1ヵ月前に、別のもらい事故を受けている。
美風交通が ラッピングバスの契約を締結した時から時系列に並べると、不可解な流れになっているのが分かる。

平成29年7月14日、 美風交通は 韓国資本の旅行会社S社(福岡市博多区)からの要請で、ラッピングバス2台 、2年5200万円の契約を締結する。
折しもインバウンド真っ盛り、アジアからの観光客が押し寄せ、観光バス業界は運転手不足に嘆いている時期だ。

美風交通は当初、大型バス保有の許可を持っておらず、九州運輸局から許可が下り次第 営業を始めることにした。
同年8月には、新世界とさらに3台追加して 5年約5億円相当の契約を結ぶことで協議を始めていた。

そして、同年10月19日、ようやく大型バス保有の許可が下り、10月23日からラッピングバスの運行を開始した。

ところが、開始から わずか6日後の 10月29日午前9時、博多駅筑紫口貸切バス有料駐車場で、信号待ちで停車していたところ、後方からタクシー(福岡市内)に追突され、マフラー付近が破損するという事故が起こった。
タクシーはバスにぶつかった後、バックギアに入れ、約20mほど後方にいたタクシーに更に追突するという奇妙な動きをしている。

バス運転手の話では、タクシーの後部座席には いかついの男が乗車していて、バス運転手に向かって暴言を吐き、タクシーは大破して廃車になるほどだったが、その男は連絡先も残さず 行方がわからなくなったという。

そして、その事故からわずか31日後、これまで報じてきた九州産交バスとの接触事故が起こった。

運行開始からわずか6日目に1回目の事故、そして そのわずか 31日後に2回目の事故、いずれも停車中のもらい事故、しかも 同じ時刻、同じ場所、これを偶然と言うのだろうか。

ー 続 く ー

大牟田市新体育館建設の不思議 ① ■ 50億円以上のプロジェクト

大牟田市の市民体育館は お世辞にもきれいとは言えない。
築47年が経過、耐震基準を満たしておらず、またバリアフリー対策もされていない、昭和の遺物だ。
市民から早期建て替えの要望が出るのは 当然のことである。

市は 新体育館建設のため、平成26年より基礎調査を開始し、市民の意見聴取を経て今年度実施設計から建設までを担う業者選定を進めているところで、同5年度中の完成を目指している。

市民が心待ちにする新しい総合体育館、大牟田市では滅多にない50億円以上のプロジェクトだ。
弊社も注目していたところ、これまで競争らしい競争がない業者選考が続いているという情報が入った。

令和元年以降、当事業に係るの業者の選考は以下の4つ、選考方法を整理してみると次のようになる。

① 令和元年 基本計画策定業務(見積もり合わせ・随意契約)
② 令和2年 基本設計策定業務(公募型プロポーザル方式・随意契約)
③ 令和2年 事業者選定等支援業務(公募型プロポーザル方式・随意契約)
④ 令和3年 実施設計及び新築工事業務(公募型プロポーザル方式・随意契約)

調べたところ、確かに ①から③まで 参加業者は少なく すんなりと決まっていた。



ー 続 く ー



 

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太陽光で人生狂う・テクノシステム

最近は、太陽光発電事業や 電力小売事業で 一時は成功を収めるも転落したというニュースが続いている。要因は様々だが、比較的若い経営者が多い。

東京地検に詐欺容疑で逮捕された  ㈱テクノシステムの代表者、生田尚之氏(47)も、太陽光発電事業に手を出して 人生が狂った様だ。

尚之氏の父親は、発電所や産業プラントのコンサル会社を経営した後、ものづくりの原点に立ち返りたいとして会社を売却し新会社を設立、厨房のフードサーバー等の装置を開発するなど、世界各国で50近くの特許を取得した仕事人だったという。

その父の熱意と技術を継承し 尚之氏は2009年に独立創業、当初は河川や海水の淡水化装置の開発販売を主に地道にスタート、2010年の1期目の決算では2億932万円を売り上げた。
またフードサーバーがメディアで紹介されるなどして知名度を上げ、2013年の4期目には 11億2747万円と着実に伸ばしていった。

その頃から太陽光発電事業に参入、動く金額の大きさが 感覚を麻痺させていったのではなかろうか。
2015年の6期目の決算では104億1514万円とあっさりと100億を突破、10期目となる2019年には年商約161億3900万円を計上するまで急成長を遂げた。

株式上場も目前で発覚した今回の粉飾事件、同社は間もなく東京地裁へ民事再生法の適用を申請する予定で 負債総額は150億円と言われている。

父親が築き上げたものまで一瞬で壊してしまった尚之容疑者、太陽光発電事業にさえ手を出さなければ 人生踏み間違えることはなかっただろうが、悔やんでも悔やみきれないだろう。