(11年5月号掲載) 新こども病院はどこに建設するのか。この極めて難しい問題について調査委が明確な指針を示せなかったこともあり、すべての責任は若き高島宗一郎市長(写真右)の両肩にのしかかることになった。 本紙はすでに今年2月号で「市長の英断を望みたい」としながらも「現実的には人工島への移転を中止し別の案を検討するのは難しいだろう」と述べている。 ここで再度、その理由について説明したい。 【編注】本稿は5月16日時点。高島市長は5月24日、新病院は人工島で整備することを正式に発表した
(11年5月号掲載) 調査委による検証作業は昨年11月の市長選で「市民目線の政治を」と訴え、「こども病院(写真)の人工島移転を決定した過程を再検証する」と公約に掲げて当選した高島市長の、初の大仕事である。 委員は専門家だけでなく移転反対派住民や一般市民からも選出。会場での様子や配付資料をすべて公開し、議論はインターネットで生中継。視聴者からの投稿もリアルタイムで会場に表示された。 ITツールをフルに活用したこのような会議は、福岡市政始まって以来の試みだった。
(11年5月号掲載) 福岡市立こども病院(中央区)の人工島への移転を決めたプロセスを検証する調査委員会は15日、最終報告書をまとめて高島宗一郎市長に手渡した(写真)。 報告書では、決定過程の合理性・妥当性については委員の賛否両論を併記しながらも、「透明性を欠き市民の不信を招いた」などとして市の姿勢を批判、過程に不備があったと結論付けた。だが整備地については1カ所で合意することは出来ず、人工島など6カ所の候補地について長所・短所を列記するにとどまった。 高島市長は「6月7日までに結論を出す」としているが、人工島以外の場所に変更するのは極めて難しい状況に依然、変わりはない。 【編注】本稿は5月16日時点。高島市長は5月24日、新病院は人工島で整備することを正式に発表した
(11年4月号掲載)
福岡を拠点に活動する女性歌手、エマ・コルデロさんが6月、東日本大震災の被災者を支援するため、チャリティーコンサートを開く。「出来るだけ多くの人に訪れてもらい、楽しい1日を過ごしていただけたら」(コルデロさん)。
(11年5月号掲載) 福岡市西区、市営地下鉄橋本駅そばの大型商業施設「木の葉モール橋本」内に4月15日オープンした障がい者アート作品の専門ショップ「M&M slow(エムアンドエム スロー)」が評判を呼んでいる。 同店は、店舗の約半分のスペースに、福岡市内8カ所を含む全国15施設で制作されている障がいのある人たちのアート作品やクラフトグッズ約120種類、計約1500点が並べられている。これまで障がいのある人たちの作品はバザーやイベント、また小さなショップで展示されるのがほとんどで、大型商業施設の中の常設店舗は全国でも初めてという。
(11年5月号掲載) 本紙報道について別府市民から批判があったのは先述の通り。浜田氏自身も当選直後、接戦となった選挙戦を振り返り開口一番「誹謗中傷にさらされた」と語ったという。 それが一体何を指すのか、浜田氏は具体的には言及していないが、もちろん本紙記事を念頭に置いてのことだろう。こうした見当違いの声に反論させていただきたい。 まず、本紙報道に対する「市長の悪口」「誹謗中傷」との批判だが、どの自治体であれ現職首長が選挙の際、任期中の政策とその結果について検証・批判を受けるのは当たり前のことだ。本紙は浜田市政の問題点を指摘したのであり、悪口とはまったく別次元である。
(11年5月号掲載) 本紙は2月号から浜田市政の問題点を報じてきた。その影響もあって市長選は大接戦となったが、一方で本紙には別府市民から「なぜ浜田市長の悪口ばかり言うのか」「なぜ正々堂々と戦わないのか」といった声が寄せられた。 「正々堂々と戦ってほしい」。これは浜田氏が3月議会において、疑惑を追及した市議(市長選に立候補、落選)に対して発した言葉である。 別府市民は市長以下、正々堂々という熟語がよくよく好きなようだが、残念ながら意味を間違えて理解しているようだ。
(11年5月号掲載) 4月24日投開票の大分県別府市長選は、現職の浜田博氏が4選を果たした。 だがその浜田氏を支援するため、市役所職員らが法律で禁じられている政治活動・選挙運動を組織ぐるみで行っていた疑惑が浮上。さらに浜田氏は当選直後の記者会見で他の候補者を支援した別府まつり振興会関係者を「恫喝」、一部市民の反発を呼んでいる。 本紙既報の大型商業施設誘致、ゴミ処理施設業務に絡む問題と合わせ、行く手に暗雲がたれこめる浜田市政、そしてそんな市長を支持した市民。 一連の取材を通じて浮かび上がったのは、全国有数の温泉観光地として知られる別府市の真の姿─こう言うほかない。
世界最貧国の1つとされるバングラデシュ。そのスラム街に住む子どもたち現実をドラマ化した映画「アリ地獄のような街」が6月1日、福岡市内で上映される。 この映画は同国でストリートチルドレンの支援活動を行っているNGO「エクマットラ」が制作。09年から全国各地で上映会が開催されており、福岡では昨年に続き2回目。 当日は同NGO設立に関わった渡辺大樹氏のトークショーも行われる。
(11年4月号掲載) 福岡市議選・中央区で次点に泣いたのは、自民推薦の新人候補。選挙戦序盤には麻生太郎・元総理が応援に駆け付け支持者らの話題を呼んだ。 自らの地元ではない福岡市の、しかも新人のために元総理が貴重な時間を割くのは異例。 「自民県連内では現在、山崎拓氏が浪人中で、麻生氏と古賀誠氏が主導権争いを展開している。元総理としては1人でも多くの子分がほしい。それでわざわざ出張って来たんですよ」(あるマスコミ記者)。
(11年4月号掲載) 多党相乗り候補と共産候補の一騎打ちとなった県知事選、4分の1以上の選挙区で無投票となった県議選など、民主が躍進した前回と比べまったく盛り上がらなかった。 マスコミ記者からは「結果が見えており、記事の書きようがない」といった声が漏れる一方、東日本大震災の影響で新人の派手なパフォーマンスなどは陰を潜め、見所や話題が少なかったのも事実。 そんな選挙戦の中からいくつかエピソードを拾ってみた。
4月24日投開票が行われ、現職の浜田博氏が4選を果たした大分県別府市長選で、市役所幹部らが告示(同17日)直前、浜田市長の選挙運動用葉書(法定葉書)の宛名書きをしていたことが分かった。 地方公務員法などでは、公務員が選挙運動などの政治活動を行うことを禁じている。さらに部課長など幹部が部下に宛名書きを指示し作業に動員していれば、公選法で禁じられた「地位を利用した選挙運動」に抵触する恐れもある。 ★5月号で詳報
(11年4月号掲載) 両党が候補者選定を進めていた段階では、評価が高くなかった小川氏。それがなぜ、最後に笑うことになったのか。 「麻生知事の強い意向、ただそれだけですよ。小川氏は経済産業省の後輩で、先輩に当たる麻生知事の言うことなら何でも聞く『舎弟』。しかも行政・政治能力は知事よりもはるかに劣る。それは具体性がない公約や中身のない演説からも明らか。 表舞台から退いても『院政』を敷いて県政を仕切りたい麻生知事は、自分が遠隔操作しやすい人物を新知事に据えたかったんです。小川氏が麻生知事の操り人形になるのは確実でしょう」(前出記者)。
(11年4月号掲載) 統一地方選の前半戦は4月10日、投開票が行われた。福岡知事選では麻生渡知事が後継指名し、主だった政党や財界の支援を受けた新人の小川洋氏が、共産党推薦の新人を破って初当選した。 小川氏は今回マニフェストを作成せず、「県民幸福度日本一を目指す」と訴えたが具体性はほとんどない。そのため関係者からは「一体何をやりたいのか全然見えてこない」「麻生氏の『操り人形』になるのは確実」との声も。 その上、県議選では議会を実効支配する有力県議が全員当選。麻生知事時代からの「執行部と県議会の馴れ合い県政」、すなわち県民不在の県政が今後も続くことは間違いない。県政改革への道のりは遠い。
福岡市立こども病院(中央区、写真)の人工島移転事業をめぐり、その決定プロセスを検証する調査委員会が15日開かれ、最終報告をまとめた。 移転を決定した過程の合理性・妥当性については賛否両論を併記した上で、意志決定過程が不透明であることやガバナンス(法律を守りながら集団をうまく運営すること)が欠如していたと指摘。「こうした進め方が市役所の信頼を損ない、結果として病院建て替えを停滞させた」と結論付けた。
(11年4月号掲載) 大牟田市の1958年の人口は20万を超えていたがその後減少、2010年には約12万4000人に。他の人口10万以上の都市と比べても人口減少率・高齢化率は高く、同年4月には過疎地域に指定されることとなった。 緊縮財政を敷き市民の負担を増やすことはサービス低下につながり、そうなれば人口流出に歯止めをかけることは難しく、税収は減るばかり。地方交付税頼みの財政から脱却するためには、多くの人々が集うような魅力的な街へと変わっていかなければならない。
(11年4月号掲載) 北海道夕張市が財政再建団体に指定され、事実上財政破綻したのは07年。景気低迷が続く中、「ついに自治体が『倒産』する時代を迎えた」と多くの国民に衝撃を与えた。その時、次の破綻候補として名前が挙がっていたのが、夕張市と同じ旧産炭地、大牟田市である。 ところがこのほど、2010年度一般会計決算が10年ぶりに黒字となる見込みとなったことが発表され、自治体関係者の間で話題となった。 厳しい財政状況を改善しようと努力を続けてきた大牟田市。人口減、税収減に悩んでいる多くの地方都市も危機感を持ち、同市を参考にして早めの対策を取るべきではないだろうか。
(11年4月号掲載) 福岡県八女の山里、上陽町上横山。ここに知的障がい者の社会復帰や就労支援で全国でも注目される入所授産施設があると聞いて訪れた。 車の離合もままならない山道の先にその施設はあった。社会福祉法人「上横山保育会」が運営する社会就労センター(セルプ)「蓮の実団地」である。 120人が生活する施設だそうで、本館や作業場、生活棟などで構成され「団地」の名にふさわしい。
トステムシニアライフカンパニー主催のトークショーより 女優・エッセイスト 黒田福美氏 東日本大震災が起きた時、私は東京の自宅にいました。最初に考えたのは、近所に住む母は大丈夫だろうか、ということ。でも人って本当にびっくりした時には気が動転して身動きが取れなくなるんですね。やっと1時間後に行ってみると実に泰然としたもので「家中ホコリだらけになったから掃除をしていた」(笑)。 戦争を乗り越えた世代は違うなあ、凄いなあと思いました。知恵と勇気、微動だにしない心。精神的ストレスに耐える力がすごく強いんですね。私たちの世代になると潤沢で便利な生活に慣れてしまっていて、だからこういう非常時に買いだめに走ってしまう。 でも父母の世代は違う、「国難だからみんなで助け合わなくてはならない」。学ぶべきことはたくさんあるなと感じています。
(11年4月号掲載) ある別府市議は「新会社は設立されたばかりで実績がまったくなく、入札応募時点で従業員は0人。事業者としての条件を欠いていたにもかかわらず浜田市長は『九州重環の事業を承継しているから特例だ』として強引に決めてしまった」と語る。
(11年4月号掲載) 関係者の証言を総合すると09年3月ごろ、九州重環オペレーション別杵事業所で「従業員の雇用を守るため」として労働組合結成の話が急に持ち上がり、26人中25人が組合に加入させられた(後に3人が脱退)。 「同29日に藤ヶ谷清掃センター(写真)内の事務所で組合の結成式が行われたが、この時X社長と、ある社員の実父が一緒に白い高級外車に乗ってやって来た。X社長らは事務所に入ると、組合員の名簿をチェックしていた」(九州重環の元従業員)。 大分県警関係者によると、この社員の実父は熊本に本部を置く暴力団の幹部と認定されているという。
(11年4月号掲載) 本紙は2月号から大分県別府市(浜田博市長)の大型商業施設に関連した「市長の代理人」疑惑について報じてきた。 ところが今度はこの代理人が、別府市と周辺自治体が共同で運営しているゴミ処理施設の業務を委託された会社の設立にも、深く関与していた疑いが新たに浮上した。 さらには「暴力団幹部も関わっており、『処理施設に絡む利権に命をかけている』と話していた」との証言も。 この会社は事業者としての条件を満たしていなかったにもかかわらず、浜田市長が「特例」として押し切り、強引に委託契約を結んだ経緯がある。それだけに浜田市政のあり方が、24日の市長選を前にあらためて問われることになりそうだ。 【編注】同市長選は大接戦の末、浜田市長が約1400票差で4選を果たした
(11年3月号掲載) この問題が解決しないうちに、兼武氏はZ建設関係者を通じ「今、病院買収の話が進んでいる。これが成功すれば工事をK建設に回せる。ついてはその活動資金を貸してほしい」とWさんに持ち掛けた。 仕方なく、06年末から翌07年にかけて数回に渡り、現金や手形など計910万円を兼武氏側に渡した。 「その後返却を求めたが、そのたびに『必ず返す』という念書や借用書を何枚も書いた(写真)。でもそれだけ。返す気が最初からないのだから、念書など何の役にも立たない」
(11年3月号掲載) 「パンフレットに書かれた都市再生研究所(福岡市中央区)の幹部は立派な経歴の方々ばかりで驚いた(写真)。兼武宏光氏は『うちの会長が元JR九州会長だから今回の再開発事業を任された』と話しているというので、それで信用することにしました」 その直後、Wさんは福岡の同研究所事務所で兼武氏に会った。「天神の素晴らしいビルに豪勢な社長室。われわれのような田舎の業者とはやっぱり違うと感心した」 Z建設からの工事金4300万円は未払いのままだったが、Wさんが金融機関や親戚などからかき集めて調達、取引先への代金に充てた。「とりあえず自分が借金して立て替え、再開発事業の工事金が入った時に返せばいいと思ったのです」
(11年3月号掲載) これまで本紙は再三、うまい儲け話や怪しい投資話には十分に気を付けるよう注意を促してきた。09年に報じたコンサルタント会社「都市再生研究所」(福岡市中央区天神、代表者・兼武宏光氏)もその1つである。 「悔やんでも悔やみ切れない」。熊本市高平のK建設社長、Wさん(60)は苦々しげにつぶやく。同研究所が持ち掛けたJR関連の「架空事業」に絡んで5000万円以上を失った。 「おかげで従業員はすべて去り、親子で細々と食いつないでいる状態です。なのに兼武氏は何の罰も受けず、豪勢な暮らしを送りながら詐欺話をまき散らしている。私のような被害者が新たに出ることを防ぐためにも、恥を忍んで経緯をお話しします」(Wさん)。
(11年3月号掲載) 商店街で様々なイベントを行っているNPO法人の若者に街の中心部を案内してもらい、有名な市営竹瓦温泉の前に立った。ふと見ると、近くに大型商業施設が(写真)。 観光客が大勢訪れるこんな場所に? これでは街の景観が台無しではないか。 聞けば別府市長自らが強引に誘致を決めたという。一体なぜこんな中心部に建設したのか。商店街の人々、活性化に向け努力する市民は何とも思ってないのか。 こうした疑問が今回の件を取材する発端となった。
(11年3月号掲載) 翌3月8日には池田康雄・別府市議が「私は県民新聞から取材を受けた。(本紙記事中の)元側近とは私のこと」と明らかにし「06年2月、X社長がイズミ側に『下請け業者を一任してほしい』と要請、その場で浜田市長に電話して確認したため、仕方なく約束したとの情報がある」と追及。 浜田博市長は「そんな電話は記憶にない」 池田市議はまた、イズミが建設すると約束しながら未着手のシネマコンプレックス(施設内に複数のスクリーンがある映画館)に関連し、浜田市長の任期中に必ず建設するとの確認書を交わす過程で08年2月20日、イズミ側関係者とX社長らが市長の応接室で話し合いを持った件について質問。
(11年3月号掲載) 本紙は2月号で、大分県別府市(浜田博市長)に誘致された大型商業施設の業務委託をめぐり「市長の代理人」が暗躍していた疑惑について報じたが、これが現地で大きな反響を呼んだ。 同市3月議会では、今月に予定されている市長選に立候補予定の市議らが本紙を掲げ、浜田市長を激しく追及するという“前哨戦”を展開。 市長は問題の人物と面識があることは認めたが、そのほかの点については「承知していない」などと答弁した。 浜田市長が強引に進めてきた街の活性化政策をめぐり、重大な疑惑に揺れる全国有数の「泉都」別府市。市長選・市議選を間近に控える中、本紙の考える問題の本質について、あらためて述べてみたい。
統一地方選挙は10日に投開票があり、福岡知事選は麻生渡知事の後継者として自民・民主などの支持を受けた新人の小川洋氏が、共産党推薦の新人を大差で破り初当選した(写真)。 県議選(定数86)は民主が20議席、自民が41議席を獲得し、改選前の議席を維持した。共産、社民は議席を失った。みんなの党は公認7人を擁立したものの議席獲得はならなかった。
(11年3月号掲載) 以上の4点から本紙は、伊藤祐一郎・鹿児島知事が強引に進める処分場計画の本当の目的は、所有地を取得したり施設建設を請け負わせたりすることで、地元の有力企業である植村組グループに便宜供与を図ることなのではないかと指摘した(昨年10月号)。 すでに鹿児島県は来月中に施設の建設工事を始めることを明らかにしており、着工へ向けて行政手続きを進めている。 これに対して反対派住民は何度も鹿児島県庁を訪れて抗議行動を展開してきた(写真)。その一方で、建設中止を求める訴訟の準備も着々と進めている。
(11年3月号掲載) 鹿児島県(伊藤祐一郎知事)が同県薩摩川内市で進めている産業廃棄物管理型最終処分場の着工が4月に迫っている。 粛々と行政手続きを進める同県に対し、計画に反対する宗教関係者や地元住民は建設中止を求める訴訟の準備に入るなど一歩も引かない構えだ。 本紙は09年2月号で「この問題は伊藤県政のあり方を問うものになる」と指摘したが、現状はまさにそうなりつつある。処分場建設を名目に、特定の地元企業グループに事実上の便宜供与を図るのが目的としか言いようのないこの施策。問題点をあらためてまとめた。
(11年3月号掲載) 高齢を迎えると、相続手続きや遺言の残し方、財産管理、また人生をどう全うしたらいいのかなど、不安や悩みが襲ってくる。 一方、高齢の親と離れて暮らす子どもにとっては、老親の悩みや不安を直接サポートできないもどかしさ、悪質商法の被害にあわないかといった心配も大きい。
(11年3月号掲載) 今回の裁判の中で、原告である岩永鮮魚仲卸側は「一連の取引は実体があったのか、架空だったのか」という疑惑の核心については触れなかった。 取引は架空だった、つまり不正な取引だったとなれば、そこで生じた債権・債務は無効とみなされる可能性が出てくる。中央魚市場から代金を返してもらいたい岩永としては、こうした事態を避けたと見られる。 そのため地裁は、取引の有無についてはマグロが保管されていた冷蔵庫からの出庫記録や納品書、受領印などの形式的な要素で判断するに止まった。
(11年3月号掲載) 長浜鮮魚市場(福岡市中央区)を舞台とする冷凍マグロ架空取引疑惑に絡み、破算した仲卸業者が卸売業者「福岡中央魚市場」(同)に支払った代金を返すよう求めた裁判で、福岡地裁(写真)は3月15日、原告の請求を棄却する判決を下した。 同地裁は一連の取引が架空だったのかどうか、疑惑の核心には踏み込んでおらず、納品書など形式的な部分で取引の有無を判断。中央魚市場から仲卸業者へ納入されたマグロはその後、市場外業者へは転売されていないことが認定された。 だがそうなると、大量の冷凍マグロが忽然と消えてしまったことになる。マグロは元々、存在していなかったのではないか-疑惑は一層深まることになった。
(11年2月号掲載) 本紙が伝えたかったのはみやま市議会議長とその関連会社の不正受注疑惑そのものではない。 本質をいとも簡単に見失い、むだな時間と労力を費やしたあげく、出来上がった新条例は前とほとんど変わらない。片や、騒動の発端となった議長関連の会社はその後も市発注工事を受注している。 そんな、本来の役割を果たしているとはとうてい言えない、市議会の体たらくぶりこそが問題だと指摘したのである。
(11年2月号掲載) 本紙は1月号で、みやま市(西原親市長)議会の政治倫理条例をめぐる騒動について報じた。これを受け同市議会では2月、議長が別の市議を「お前が書かせとっとやろうが」などと恫喝するという“事件”が起きた。 本紙は、重大な問題や疑惑が明らかになってもその本質を追及できない同市議会の実態を読者に紹介したかったのだが、図らずも議会のトップたる議長の「低レベルぶり」がさらけ出されることとなった。 他の地方都市同様、財政面などで極めて厳しい状況に置かれているはずのみやま市。市民の皆さんにあらためて問いたい。 このような議会、市政を続けて、みやま市の未来は本当に大丈夫なんですか?
(11年2月号掲載) 当初から小川氏を推しているとされたのは、麻生太郎元総理や北九州市選出のN県議。県連内では特にN県議への反発が強く、そのため昨年末、小川氏擁立がいったん白紙となった経緯がある。 こうしたことから、蔵内氏は、自民に推薦願を出した小川氏の擁立を阻止するために自ら汚れ役を買って出たのでは─との見方がもっぱらだった。 だが、ある自民関係者は「蔵内氏は、かなり本気だった。要するに知事の座に目がくらんだんだよ」
(11年2月号掲載) 麻生渡知事の不出馬を受け、民主・自民両党が独自に候補選定を進めていた県知事選。二転三転の末、両党が小川洋氏に事実上「相乗り」することで決着した。 一時は独自候補の擁立に積極的だった民主。小川氏擁立の動きがいったん白紙に戻り、有力県議の推薦が決まりかけた自民。それがなぜこのような無惨な結果となったのか。 知事選候補をめぐる一連の騒動を振り返る。
(11年2月号掲載) “イケメン”男性5人で構成するコーラスグループ「Le Velvets(ル・ヴェルヴェッツ)」(写真)が、ちょっと変わった売り出し方で話題になっている。 5人全員が身長180cm以上、そして音楽大・芸術大出身と「才色兼備」。デビューCDはテレビの通信販売専門チャンネルで限定発売と、まさに異例づくめだ。 話題性だけではなく実力も当然高く、著名な評論家らもその歌唱力に太鼓判を押す。 メンバーの1人、北九州市若松区出身の日野真一郎さん(28)は「地元福岡でも多くの方に聴いていただけるようこれからも頑張りたい」と話している。
(11年2月号掲載) 仕事をリタイアしたシニアの間にボランティアの機運が広がっている。しかし、「何をやったらいいのか」また「どんなところで役に立てるのか」などの戸惑いも多い。 そんなボランティア予備軍のための講座を開催したり、すでに活動している個人やグループのボランティアに活動場所を紹介するなど、ユニークな活動を行っている組織が福岡市にある。同市中央区赤坂2丁目の市立中央市民センター内に事務局を置く「シニアフレンズ福岡」である。 高島市長は「愚か者」になれるか(1)
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移転計画撤回依然厳しく(2)問題点を指摘 調査委の成果
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移転計画撤回依然厳しく(1)調査委 候補地絞り込めず
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今こそ日本に恩返しを 比国歌手が震災支援コンサートを開催へ
「祖国フィリピンが傷付いた時、多くの日本の方に助けていただいた。今こそ、その時の恩返しをしたい」
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木の葉モールに障がい者アート作品の専門店「M&M slow」オープン
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県知事選 麻生知事の「舎弟」当選(1)県政改革道のり遠く
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