理事長戦は延長戦に

28日、九国大付属高校(北九州市八幡東区)が筑陽学園との投手戦を制し、春夏連続の甲子園出場を決めた。

高校球児が活躍した一方で、学校法人九州国際大学の理事長が決まらない異常事態が続いている。
弊社記事「学長人事、理事会否決に怒りの声(6月9日)」で既報の通り、大学側が全会一致で提案してきた大学の学長候補が 理事会で否決された。
学長の任期は8月末まで、残り約1ヵ月の間に学長が決まるか先行きは不透明という。

学長が決まらないだけでも一大事だが、それ以上に 学校法人のトップである理事長が決まっていないことの方がもっと重大だ。
本来であれば 春頃までに後任理事長を決めておくべきところ、学長人事を含め 理事会内部の意見が真っ二つに割れたまま時間が経過、そうこうしているうちに前理事長は6月中に任期終了となり、現在は副理事長が代行している。

理事長は、理事会で 10名の理事の互選で決定される。
現在手を挙げているのが2名、6月末と7月末に開催された理事会において理事長選挙となったが、いずれも 5対5の同数で決まらず 延長戦に突入、結論は8月以降に持ち越された。

野球部はチーム力の高さを証明したが、理事の皆さん、大人のチームワークにも注目が集まっていることをお忘れなく。

注目が集まり始めた田川市

昨年来、様々な話題をマスコミに提供し全国に名を轟かせた大任町だったが、隣接する田川市からも注目を集めそうな情報が出てきた。

田川市・川崎町・糸田町・福智町の1市3町で構成される田川広域水道企業団(企業長 二場公人田川市長)では、今年2月、浄水場及び調整池の建設(土木・建築)工事の入札を予定価格51億2516万円(税抜)で実施、一般競争入札にも拘わらず参加したのは1社のみ、飛島建設㈱が 50億7000万円(落札率98.9%)で見事に落札した。

入札結果表はこちら

コロナ禍で 民間の建設投資が落ち込む中、50億円の公共工事に1社のみというのは不自然という声も聞こえてくるが、それ以上に興味深い事実が判明している。
それは、昨年11月に企業団が購入した調整池の予定地の一部が、㈲譲(大任町)が所有する土地だったことだ。

譲と聞いてピンときた方も多いだろう。
先日 添田町の違法な盛り土について FRIDAYが報じたばかりだが、その土砂を搬入している業者である。

FRIDAY 30mの巨大盛り土が出現 台風シーズンを前に近隣住民から悲鳴!

企業団によると、貯水池の場所は複数の候補地から選ばれたわけではなく、地形的に「ここ」しかなかったという。
土地の売買価格は非公表だが、そういう理由なら納得するしかない。

ただ、水道企業団の企業長は田川市の二場市長、その義兄が大任町の永原町長、永原町長の娘婿が 譲の代表取締役という関係、形式上、二場企業長は甥っ子の会社から土地を購入したということになる。

ついでに言うと、飛島建設の工事に 永原町長の長男が代表を務める㈱鷹羽建設(大任町)と譲が下請に入っていることも判っており(下図)、田川地区の同業者の間では、その営業力の高さが話題になっている様だ。

存在感のある 脇役を目指して

タケさん、というより タケちゃんの方がしっくりくる。
188cmの長身ながら 人懐っこい顔で笑う 藤本タケちゃんは、福岡県出身、38歳の役者だ。

学生時代は のんびりと過ごし、卒業後は 何となく東京で働くつもりだったが、その矢先 母親が癌に冒されていることが判ったため 看病を続けながら地元で働いた。

28歳のとき 長い闘病生活の末 母親が亡くなり、そこから 俳優を目指すことを決意、きっかけは、テレビドラマで渡辺謙さんの演技に引き込まれ感動し、自分もそんな役を演じてみたいと思ったことだ。
遅いスタートだったが、上京後 アクタースクールに通いながら ワークショップなどにも積極的に参加、芝居とは何か、演技、感情のコントロールの仕方などを学んだ。

現在、芸能事務所「T-artist」に所属、Vシネマをはじめ、最近では 映画「カイジ ファイナルゲーム」や「スマホを落としただけなのに ~ 囚われの殺人鬼 ~」に出演、深夜の連続ドラマにもレギュラーで出演した。



恵まれた体格を活かし、演技力を磨きつつ、「この場面は絶対タケちゃん」とお呼びがかかる 存在感のある脇役を目指す。
ラーメン大好き、性格抜群のタケちゃんを応援します。

T-artisit 藤本タケ 紹介ページ 



 

閣議決定で可能? ブーメランもあります

安倍元首相の国葬決定を巡り、野党や市民団体が反発を強めている。
在任期間が長かっただけに、功罪を数え上げればきりがなく、泣かされた側の国民が納得できないという気持ちも分かる。
しかし、内閣法制局が「国葬は閣議決定で行える」との見解を示したのであれば、これ以上文句のつけようもなかろう。

但し、閣議決定で行えるというのなら、将来のブーメランも想定しておきたい。
万万が一何かが起こって 立憲・社民・共産の連立政権が誕生したと仮定とする。
例えば、韓国で土下座したことのある元首相が亡くなったとして、連立政権が閣議決定で「その平和活動の功績を称え国葬とする」と決めても 文句が言えないということだ。
自民はじめ賛成派の党、そして国民も覚悟しておかなければならない。

小泉首相退任から第2次安倍政権の前までは、海外の首脳から名前を覚える間もないくらい毎年のように首相が交代し、一国民として恥ずかしい思いをした時期もあった。
しかし、第2次安倍政権以降の7年半で安部首相の名前は各国首脳の記憶に刻まれ、日本国としての存在感が増していったのも事実だ。

国葬にすれば 弔問外交も行われる。
ウクライナ戦争の完全終結や 世界の分断を修正するきっかけとなればいいのではなかろうか。
岸田首相におかれては、やると決めたら国益にかなう成果が確実に得られるよう、戦略を練って取り組んで頂くことを期待している。

ロシアが弱い国になる?

地元紙に、元新聞記者が講演を行った記事が出ていたが、内容があまりに的外れに思えたので一言。
その元記者は、「プーチン大統領を待つ歴史の審判」と題し、「経済力が軍事力の基礎となるところ、ロシアは経済制裁で物価が高騰し、頭脳も流出、兵士も不足しており弱い国になる」と語ったという。
この認識、大丈夫か。

欧米のメディアから流れてくる情報を見ていると確かにそうかもしれないが、ネット上では別の見方をする専門家も少なくない。
3月の国連総会でのロシアへの非難決議では、193ヵ国中 141ヵ国の賛成多数で採択したものの、アメリカ主導の対ロシア輸出規制に参加しているのは37ヵ国に止まり、その他の国は貿易を継続、一時的に暴落したルーブルも現在はウクライナ侵攻時より高い水準で推移している。

先月には、ロシアが、友好的な「中国・インド・インドネシア・ブラジル・トルコ・メキシコ・イラン」による「新G8」を提唱していると報じられ、これにはかなり驚かされた。
基軸通貨をドルとする西側経済圏に対抗して 新たな非ドルの経済圏を作る構想で、資源や食糧の裏付けもあり、かなり現実的に思える。

参院選は、欧米追従の岸田政権を国民が支持した結果に終わったが、こうした世界の動きを見ると 不安になる。

北方領土を奪ったロシアも信用できないが、それは2度も原爆を落としたアメリカとて同じこと。
軍事面・経済面で国民の命を守るという意味で、欧米に追従していくことが正解という確証はない。

ロシアから見れば、ウクライナに侵攻しただけで 日本には何の危害は加えていない。
一方的に日本が外交官を追放し、経済制裁を仕掛けてきただけ、当然ロシアの反発は大きい。
こうした中で敵対を続けていくのか、どこかで関係修復に向かうのか、外交は難しいが 我が国独自の付き合い方というものを模索していく必要がある。

不開示理由「真似されたら困る」に納得

今年1月、福岡県が建設業法違反で某建設会社に17日間の営業停止処分を科している。
公表された処分理由に「県発注工事で虚偽の施工体系図を提出」とあったので、その経緯が分かる文書について情報開示請求を行ったが、県から不開示の決定通知書が届いた。

その理由の一つが、「情報を開示することで、建設業を営む者による違法若しくは不当な行為を容易にし、その発見を困難にするおそれがあるため。」とされていた。
簡単に言うと、「手口が巧妙で、公開して真似をする悪い輩が出てきたら困る」ということだ。

調べでは、同社が請け負った工事において、何者かが印影を偽造し 虚偽の注文書・注文請書を作成、実際は下請業者とは正式な契約書は結ばず、グループ会社と東京に本社がある商社を通じ、工事代金を含めて材料を発注する形式で請け負わせていたことが判っている。
恐らく県発注の工事でも同じ手法が使われていたものと想像する。
確かに、県がこのような手口を公開して、真似する業者が出て来ればたまったものではないので、不開示理由に納得した次第である。

今回は建設業法違反による処分だが、虚偽記載と印影の偽造では話が違っており、印章(印影)の偽造で罪に問われると 3年以下の懲役刑が処せられる。
更に同社は、下請に代金を支払うまでに 子会社と商社を通すなど資金の流れが不自然で、マネーロンダリングや会社法・税法上での問題を指摘する声もある。

県から県警に通報済と思われるが、業者が逃げ切る自信があるとの噂も聞かれ、今後の成り行きにマスコミと県議会は注目している様だ。

プーチンと井上市長、任期が長いのは?

予算や人事の権限が集中する首長が長期間在任すると、政策や人事が硬直し 役所内は忖度が横行、また利権絡みで汚職の温床になるという指摘もあり、多選禁止(3選まで)条例を制定する首長もいる。
しかし、多選批判で初当選しながら4期も居座り、5期目をうかがうっている北九州市の某市長のように、一度当選すると公約を翻す首長も少なくない。

3期で12年、4期で16年、これでも随分長いと思われるが、現在6期目、任期を全うすれば 何と24年というスーパー市長が 福岡都市圏にいる。
1999年(平成11年)4月、春日市長として初当選を果たした井上澄和氏(71)だ。
その 8ヵ月後の12月、健康上の理由で引退するエリツィン大統領から 大統領代行に指名されたのがプーチン大統領(70)なので、いかに長いかお分かりだろう。

ある出版社が行った「住みよい街ランキング2021」で、福岡県内1位(全国11位)に選ばれたのが春日市だ。
福岡市に隣接し、西鉄やJR鹿児島線 及び博多南線(新幹線)の鉄道が走り、大型商業施設や救急病院、都市公園が近くて便利、警察署もあって治安も良い。
更には 子育て支援や教育などソフト面も充実しているところが高評価の要因だ。これらのまちづくりの成功は、ひとえに井上市長の手腕によるものと言って良いだろう。

一方で、これまで意に添わぬ市職員を冷遇したり、議会の場で市議を執拗に攻撃したりという一面も知られていたが、長期政権に加え 年齢による弊害が 市役所内で囁かれ始めたという。
また、選挙前のビラ配りなどの政治活動に動員させられているという複数の業者からSOSも聞かれ、後援体制に綻びが出てきた様だ。

宗教との距離を見直す機会

一部ネットニュースで、統一教会の関連団体に 自民党議員 98名、立憲民主党 6名、日本維新の会 5名、国民民主党 2人が関わりを持ち、そのうち閣僚や党幹部の経験者が 34人に上ると報じられ 話題になっている。
保守的な思想を持つ政治家、これだけの国会議員が 社会的に批判の多い宗教団体と繋がっていて、いったいどこが保守かと怒りを覚えた支援者もいるのではなかろうか。

一般的に 殆どの人は 政治家を志したときは 特定の宗教とは無縁だが、次第に引き込まれていく。
例えば、前任者が宗教団体と関わりがあれば その地盤を引き継ぐ中で紹介され、否が応でも関わるようになる。(統一教会と自民党政治家の関係は これに当たる。)

また、初めての選挙の後、支持者=宗教団体の信者 から声が掛かり 断れないケースも多い。
宗教団体にとっては 関係する政治家が一人でも多い方が、信用度が上がるので都合がいい。
政治家の側も余程 強い支持基盤があれば、きっぱりお断りできるのだが、別に信者になることを強制される訳でもないので、適当にお付き合いしていこうとなる。

こうして、中道から保守の政治家が 複数の宗教団体と付き合いがあり、集会に来賓として呼ばれ 挨拶することは珍しくない。

国会議員と統一教会の関連団体との関わりについては、霊感商法などの被害があることを知りながらも、岸信介元首相の時代から「反共」を明確に打ち出し、諸先輩方がお付き合いをしてきた歴史があり、数ある宗教団体の中でも 比較的ハードルが低かったのではなかろうか。
そして何より、「保守」を標榜した安倍元首相の関与こそが、多くの政治家の安心に繋がったと言えるだろう。

今回の事件は宗教と政治家の距離を見直す 良い機会である。
殆どの中道保守の国会議員の本音は、神道や伝統宗教は除き、新宗教との関係を断ちたいものと想像する。
憲法に政教分離の原則が規定されているのだから、政党内部で 今後一切 宗教団体の集会に出席しないと申し合わせるのも一つのアイデアだ。

UPF(文鮮明・韓鶴子総裁夫妻が創設した団体)日本支部のホームページ

山本コウタローさんに感謝

ヒット曲「岬めぐり」で知られる 山本コウタローさんが 亡くなった。
私がひょんなことからコウタローさんに出会ったのは1984年、当時は ミュージシャンでありながら、松山千春さんらが所属する NEWSレコードというレコード会社のチーフプロデューサーという肩書だった。

シンガーソングライターを目指していた私にとっては雲の上の人、デビューのチャンスもあるかもしれない、とにかく胸が高鳴った。
コウタローさんは飾らない気さくな人で、初めて会った日も ニットセーターのひじの部分に空いた穴を見せて、こちらの緊張を解いてくれた。

毎週 新しい曲を2曲作って来るように宿題が出された。
千春さんのレコーディング風景も見せてもらった。
ちょうどその時は 「On The Radio」という曲の収録中、あまりヒットしなかったが自分の中では思い出の曲となっている。

ある時、ジョン・クーガーの American Foolというアルバムを貸して下さった。
曲調の線が細かった私に、ちょっとワイルドなアメリカンロックのテイストが必要という判断だったと思う。

ちょうどその頃は 尾崎豊さんがデビューしたばかり、オリジナル曲の斬新さ、正統派の歌い方、ルックスの良さなどで話題を集め、音楽業界からも一目置かれる存在となっていた。
自分としては才能不足を認識させられ、デビューは諦めることにして、以後 音楽は趣味でやることにした。
結局、コウタローさんの期待には応えられなかったが、最後に挨拶に行った時は、「俺も『岬めぐり』だけだもんなー」と笑っていたのを覚えている。

夢を見させて下さったコウタローさんには感謝しかない。
ご冥福をお祈り申し上げます。



 

アフリカから合同結婚式へ

殺人容疑で送検された山上徹也容疑者の動機に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への恨みがあったということで、メディアが注目し過去の霊感商法や献金などによる被害がクローズアップされ、批判の的になっている。

ただ、山上容疑者が捜査をかく乱するために、過去の母親の宗教話を持ち出した可能性も否定できない。
捜査が始まってから、容疑者の取り調べの内容がだだ漏れしてくるのも不自然で、容疑者が関西の右翼団体に所属していたという話も聞かれ、冷静に見ていく必要があるだろう。

ところで、私は統一教会について詳しくないが、近所の一軒家に住むアフリカから来た女性信者のAさんを知っている。
Aさんは、統一教会の合同結婚式で アフリカ某国から十数年前に来日、福岡市に住む男性と結ばれるも、その男性は数年前に亡くなったという。
ご主人が残してくれた家に今は一人暮らし、時々話すが 思いやりに溢れ 笑顔を絶やさない人である。

一方で、宗教法人はこうした敬虔な信者からの浄財によって支えられ、組織の維持拡大のため いかにその額を増やすか様々な知恵を絞っている。
それが、免罪符のようなものであったり、何かご利益のある商品を買わせることだったりする。
奇想天外な合同結婚式もその一つで、参加者から莫大な手数料が支払われたのは間違いないだろう。

はるか異教の地で暮らすAさん、自分に置き換えてみて、アフリカで一人暮らしをしていると考えると何と心細いことか。
傍からは、 宗教法人に上手く利用されただけにしか見えないが、それは余計なことだろう。
恐らく教会からは 運命を受け入れ、「今」に満足するよう教えられていると想像している。

町民の命を守れるリーダーを

添田町では町長選挙(17日投開票)が始まっているが、ちょうどいいタイミングで 週刊FRIDAY(7月22日号)に同町内の危険な盛り土の記事が出ていた。
タイトルは「約30mの巨大盛り土が出現 ~台風シーズンを前に近隣住民から悲鳴が!~」。

記事によると、許可された高さを6mもオーバー、県は3度の行政指導を行っている、残土処理場で土砂を積み上げているのは 大任町の永原譲二町長の娘婿が代表を務め建設会社とのこと。
地元関係者の話では、同処分場に掲示してある看板には、管理者として 永原町長の息子の名前が記載されているという。
大任町では4年ほど前から汚泥処理施設やゴミ焼却施設の建設に係る土木工事が行われ、大量の土砂が搬出されているはずだが、その全てが添田町の処分場に運び込まれたのだろうか。

永原町長と言えば、全国町村会副会長(福岡県町村会会長)、福岡県介護保険広域連合の連合長、田川地区広域環境衛生施設組合の組合長など 要職にあり、コンプライアンスの徹底には厳しい方と聞いている。
まさか大任町の公共工事で出た土砂を、家族の管理する処分場に運び込むような「我田引水」を許すはずがないのでは?

問題は添田町の町長選、隣町の町長の息子による法令違反で土砂が積み上がり、添田町民に恐怖を与えているのは事実だ。
町民の命を守るため、相手が誰であっても、例え特殊警棒で威嚇してきても、堂々と もの申せるリーダーが望まれていることは間違いない。

比例の結果からみる各党の今後

比例の結果を見ての感想。
相変わらず 各党、歌手・芸人、スポーツ選手のオンパレードで人気競争、恥を知りなさい。
それでもしっかり仕事をしてくれれば良し、巨泉氏や田嶋氏みたいにすぐ辞めないで下さい。

自民は 得票率では前回衆院選と殆ど変わらない(34%)が8議席増、1人区で野党が統一候補を立てられず 自滅したのが勝因。
立憲と国民、旧民主という括りで 得票率が 5.7ポイント減、議員 8名を減らした。
スター気取りの支援団体の会長が 自民に擦り寄るなど引っ掻き回したのも一因だが、野党共闘なしでは生き残れないことを 所属議員らは改めて認識したのでは。
崖っぷちの泉代表。

公明は比例で1議席減、得票数は 618万票と 前回衆院選より 約93万票の大幅減。
共産は比例で2議席減、得票数が361万票と 前回衆院選から 約55万票減らしている。
いずれも実働部隊の高齢化という問題があり、共に危機感を募らせる。

維新は改選議席を倍増させたのはいいが、関西以外に地方組織が育たないのが課題。
ここにきて代表が辞任、副代表の吉村市長も代表戦には出ないとしており、発信力が低下する可能性がある。

共産が減らしたリベラル票の受け皿となった れいわ、山本太郎氏が選挙区で勝ち国政復帰したことで 再び勢いが出るか。
N党と参政はYoutubeを効果的に使った戦略で1議席ずつ獲得。
特に参政は反グローバルを明確に打ち出している唯一の政党、展開次第では伸びる可能性がある。



 

選挙結果と安倍元総理銃撃

選挙戦終盤に安倍元総理が凶弾に倒れた。
重苦しい空気の中 投開票が行われ、その結果与党の圧勝となり岸田政権にお墨付きが与えられた。

ロシアのウクライナ侵攻以降、岸田総理は欧米と共に 世界分断の流れに積極的に関与しているが、国民がそれを支持したことになる。
しかし、同時に 安全保障やエネルギー、食糧など 日本を取り巻く環境が厳しさを増していくことを 受け入れなければならない。


ところで、銃撃犯人の動機や背景については、マスコミ・週刊誌は宗教団体への恨みがあったと報じ 人物像をつくり上げているが、恨みをはらすのが目的なら 危険を冒して SPと警察がはり付いている元総理をわざわざ襲うだろうか。
たまたま今回 隙を突いたが、通常なら近づいた時点でSPに制止され 逮捕されるのがオチで、宗教団体の施設や関係者に危害を加える方がよほど現実的だ。

3回目の登板を視野に入れる最大派閥の領袖、かつ  右派の中心的存在、要人中の要人、という点を考慮すると やはり政治テロと考える方が筋が通る。
「誰が得をするのか、世界情勢と絡めて考えると答えが見えてくる」と語る関係者もいる。



 

残された時間で財団設立

神奈川県逗子市在住の畠中一郎さん(64)から「昨夏、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断され 余命3〜4年と宣告を受けた」という連絡を頂いた。
ALSとは、手足・喉・舌の筋肉、呼吸に必要な筋肉などが 痩せて力がなくなっていく病気で、治療法はないという。

畠中さんは 大学卒業後、JETRO職員として海外で勤務、私は1989年から2年ほど コンゴ民主共和国(旧ザイール)で 同じ時代を過ごしたのだが 大変お世話になった。
いつも 何か面白いことを企んでいる風で、人懐っこい笑顔でとつとつと話すのが印象的だった。

私がザイールを離れたのが1991年3月、その半年後の9月、隣国のルワンダで内戦が勃発、それに触発されたようにザイール全土でも暴動が起こり、抑圧された民衆の怒りが爆発し、スーパーや商店、ホテルなどから略奪・暴動の限りを尽くした。

外国人が多く住む地区にも暴徒が押し寄せ、畠中さんの家の庭の塀を 男性がよじ登って来るのが見えた時は 死を覚悟、間一髪で政府軍の兵士に救出され、無事に国外へ脱出できたという。

こうした体験を経て、帰国後はMBAを取得し コンサルタントとして野村総研、アクセンチュアなどで様々な事業に取り組む一方で、企業トップという立場で数多くの国内外の事業に関与してきた。

余命宣告を受けてから、畠中さんが最後に出した答えが、「難病やその他障害に苦しむ患者やその家族を支え続けるための財団を設立すること」、そのため クラウドファンディングで支援金を募ることを決めた。
死を宣告されるのは残酷で辛いことだが、それでも前を向いて何かを残そうというところが いかにも畠中さんらしい。

目標は1000万円、クラウドファンディングで集まった支援金は段階的に、財団のウェブサイト構築、事務所の開設、シンポジウムの開催、介護機器リース事業などに活用する。
6月28日に呼びかけが始まってから5日間で500万円が集まった。
期限は今月末まで、畠中さんのコンサル業の集大成としてのミッションに、多くの支援の輪が広がっている。

クラウドファンディング「難病患者やその患者を支え続ける財団設立へ」

自浄作用が働いた社会福祉法人

春日市の認可保育園「若竹保育園」で、運営する社会福祉法人「共栄福祉会」の理事長の娘(46)が、不正に少なくとも2000万円以上を引き出していたことが判った。

一般的に法人の創業者一族の権力は強く 不祥事は表に出にくいが、監査委員の指摘を受け 内部調査委員会を設置して 詳細が明らかになったという。

同法人は、春日市で 若竹保育園・岡本保育所のほか、福岡市南区に福祉型障がい児入所施設「若久緑園」、同早良区に障がい者支援施設「板屋学園」を運営、と聞けばご存知の方も多いだろう。

今年3月に行われた日本アカデミー賞では、「すばらしき世界(西川美和監督)」が 7部門で優秀賞を受賞し話題になったが、若久緑園もその舞台の一つとなっている。
弊社記事「映画と萬行寺と若久緑園(2021年12月13日)」参照

現理事長の父親が創業者、 昭和21年に戦後の引き揚げ児の教育の遅れを危惧し 私塾を開設したのが始まり、その後 福祉事業で業歴を重ねると共に 地域や行政からの信頼を積み上げてきた。
歴史が長い分だけ多くの人が関わり、現在も多数の園児や入所者が在籍し、想いを持った職員らが支えている。

管理が甘かったのは反省点だが、こうした職員が勇気を持って聖域に切り込み、法人として自浄作用が働いた点は評価すべきだ。
理事長辞任は言うまでもないが、信頼回復を向けて法人運営への創業一族の影響力を 排除していく必要があるだろう。

マスコミが報じない参政党の勢い

戦前の予想で 泡沫と見られていた参政党、ここにきてマスコミ各社は「比例区で1議席に届く可能性がある」と評するようになったが、それでも 参政党の勢いと可能性に気づいている記者は殆どいない様だ。
社の方針で、国政政党のみを追いかけているから 当然と言えば当然である。

2日、炎天下の博多駅博多口広場には、参政党の候補者の演説会に 約1000人が集まっていた。
お目当ては 党事務局長の神谷宗幣氏(44)、参政党を立ち上げた人物だ。
前日 熱中症に苦しんだという神谷氏だが、最初こそ声の調子が良くなかったが 徐々にボルテージを上げ、約1時間20分間 休むことなく聴衆に 国政政党になる必要性を訴えた。



オレンジのTシャツを着たボランティアも多数、建設資材店経営の50代の男性は、普段は自民支持だが神谷氏の行動に感化され、居ても立ってもいられず 初めて手伝いに来たという。

そして、演説会が終わると 会場の隅に設けられた募金コーナーに長い列が。
この日も多くの寄付が集まったそうだが、30万円をポンと入れた方もいたと聞いて 驚いた。



この演説会の30分後、同じ場所で日本維新の会の 馬場伸幸共同代表と 選挙区の候補者の演説会が行われたが、集まったのはマスコミ関係者だけで、立ち止まって演説に耳を傾ける一般の人は見られなかった。
これではどちらが国政政党か分からない。

もちろん、この聴衆の数がそのまま票になる訳ではないし、今回は比例区・選挙区両方で維新が上回るのは当然だ。
しかし、神谷氏が 街宣活動やネットを通じて一人ひとりに 訴えかける力は 群を抜いており、既存の政党に不満を持つ一部の有権者のハートを鷲掴みにしている。

今回の参院選の結果いかんに関わらず、その存在を多くの有権者が知れば 大化けする可能性もあり、マスコミはそういう認識で見ていく必要があるだろう。


マスコミ関係者だけが集まった維新の演説会

相次ぐ会長辞任、嵐の前触れか

6月26日、連合佐賀の井手雅彦会長が辞任したのに続き、27日には連合大分の佐藤寛人会長が辞任した。
2人とも関連団体の役職に就任するための辞任ということだが、いずれも任期途中で後任は未定、10月まで会長職不在となる。

連合そのもののが組織として弱体化の傾向にあるが、昨年10月、芳野友子氏が連合会長に就任以降、立憲と国民の調整役に徹するどころか自民にすり寄る行動が目立ち、組織内から批判が出ていた。

選挙戦真っ只中の無責任とも言える2人の辞任、メディアは 立憲・国民合わせて議席を減らすと予想しており、選挙後 全国に波及して嵐が起こる前ぶれという声も聞かれ始めた。



 

沈黙の反対(百条委員会設置議案)

情報公開のトップランナー「大任町」に隣接する田川市で、誰が見ても不自然な業者選定が行われ、市議会による百条委員会が設置されることが決まったが、議案提案から採決までの動画が公開されたので、特に市民の皆さんにはご視聴頂きたい。

こちら → https://youtu.be/dMdM-_LMsVU?t=2807

まず 百条委員会設置の議案を提出した議員から、提案理由の説明があった。
プロポーザル方式で業者選定終了後、市は業者名を公表せず、議会から再三求められても「準備に支障が出る可能性がある」との理由で拒否、その後情報公開個人情報保護審議会で「開示すべき」との答申が出たため、選定終了後 7ヵ月経ってからようやく公表するに至ったという。

この経緯一つとっただけでも常識では考えらず、「大任町」を彷彿とさせる。
議会は行政の予算の使い方を監視する機関、普通に働く議員なら 疑問を持って当然で、百条委員会設置は全会一致で可決すると思われたが その結果は…。

百条委員会を開催するか否か、採決の前に 賛成・反対の討論をする時間があったが、賛成討論があっただけで、反対討論を行った議員は一人もいなかった。
そして 採決の結果、賛成9・反対9で同数となり、最後は議長採決により辛うじて可決となった。

ちなみに 討論で沈黙したまま反対したのは、梅林議員、尾崎議員、松岡議員、佐々木議員、陸田議員、今村議員、田守議員、加藤議員、吉岡議員の9名の先生。
田川市民の皆さん、反対した先生方に 理由を尋ねてみてはいかがでしょう?